体のことを考えすぎるあなたへ
日常生活での賢い健康法
@カラオケの歌いすぎでノドが痛いときはどうするか
 
いつの頃からか、わが国のバーやスナックには、全国津々浦々にカラオケがそなわるようになった。いまでは、深夜のさしてにぎやかでない通りを歩いていても、どこからともなくカラオケをバックに歌う声が聞こえてくる。
 こうしたカラオケの普及は、演歌好きにはこたえられない楽しみになるいっぽうで、数々の弊害も生んでいるようです。マイクの奪い合いから、果ては刃傷沙汰にいたった事件や、騒音による訴訟問題などがあちらこちらで起きているのが目につきます。
 そんなトラベルに比べるといささか格の落ちる話ですが、カラオケに夢中になりすぎて、
ノドを痛める人が少なくありません。ホロ酔いきげんで演歌を歌うのは、ストレスの解消になり、良いことなのですが、問題は声をはり上げ、タバコを吸い、”こぶし”をきかせたときの声帯の負担です。
 悪いことに、演歌のようなカラオケにぴったりした歌というのは、腹の底で歌うオペラなどとちがってノドを酷使してしまいがちです。まさに、ノドが自慢で歌うわけなのですが、それが度を越すと、
声帯に炎症を起こす恐れが生じます。これは、選挙の時期に、”ノドを枯らして”走り回る政治家が声をつぶしてしまうのとよく似ています。
 へたをすると、その
炎症がもととなって、声帯ポリープという一種の腫れ物ができることもあり、注意が必要です。ご存知のように、この病気は売れっ子の歌手がかかるもので、腫れ物とはいってもガンとは関係がありません。けれども、ノドの疲れに酒やタバコが重なると非常にかかりやすくなり、声が出なくなってしまいます。
 さて、そこで予防の対策が必要となります。ノドを大事にといっても、演歌好きに”禁カラオケ”は無理で、また招待や宴会ともなれば、そんな自制心は何処かへ行ってしまうでしょう。結局、ノドがかれないように声帯を潤す手段を講じるしかないのですが、それには梅干が最適です。
梅干の酸味は、多量の唾液を分泌させるとともに、声帯の粘液をだす機能も高めてくれるからです。
 テレビの宣伝の影響か、ノドの痛みというと甘いアメをしゃぶることしか思い浮かばない方も多いようですが、辛いものが必ずしも悪いわけではありません。唐辛子の多い朝鮮料理を食べている韓国の歌手が、決してハスキーな声でないことを考えてみればいいでしょう。
 それはさておき、カラオケの悪い点ばかり話しましたが、これはノドに限ってのことで、
肺を中心とする総合的な健康のためには、歌は大変有効です。まさに、肺炎予防にはカラオケなのです。要するに力み過ぎないこと、これがポイントです。

A徹夜麻雀で疲れたときには、これだけはやっておけ
 
麻雀好きな人の中には、一度始めたらなかなか止められないという人が少なくない。ズルズルと夜を徹して勝負をすることになるわけですが、そうしたときの疲労感はかなりなものである。体がだるいだけでなく、頭もボーッとして、思考が定まらないまま一日を無駄に過ごしてしまうという経験をしたことのある人もいるでしょう。
 麻雀の疲労感というのは、ちょっと特殊なものです。徹夜麻雀をした場合は10時間近くも椅子に座っているわけですから、指先や腕は動いていても体はほとんど動かさない。姿勢が悪いために腰などに負担もかかります。そして神経は高ぶったままで、消耗が激しい。つまり、
徹夜麻雀の疲労感は肉体疲労というより精神疲労なのです。この肉体と精神の疲労のアンバランスが、徹夜麻雀の疲労感をより高めているわけです。
 そこで、徹夜麻雀をして疲れたときは、できれば
その朝に屈伸運動などの軽い体操をするか、それが無理なら一両日中に、ジョギングなど体を動かすことをお薦めしたい。そうすれば肉体的疲労がくわわることになり、疲労のバランスがとれるのです
 また徹夜麻雀をするときは目を酷使することになりますから、ビタミンA、Dの含まれている野菜をたっぷり食べたり、翌朝、公園で緑を見ながらのんびりすることで
目の疲れをいやすことに気を配ってください
 さらに、
麻雀の最中の食事は、サンドイッチなど軽めのものにすることも大切です。空腹のままで麻雀をすると、ストレスが重なり胃液がどんどん分泌されますから、胃に悪いことこの上ありません。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因にもなります。反対に麻雀の最中、食べ過ぎるのも考えものです。体をまったく動かさないのに栄養ばかり体内に入るために、カロリーオーバーとなり、糖尿病や心臓病の原因となります。
 また、
徹夜明けの早朝に甘い物を少し摂るのも良いです。糖分はすぐに血液に吸収される栄養分ですから、これが体のすみずみに行き渡り、血管の浸透圧が高まることで、疲れの元凶である体内の老廃物が排出されやすくなりますから、疲労回復に役立ちます
 いずれにせよ、空気の悪いところで神経を極度に高ぶらせる
徹夜麻雀をすると、ホルモンのバランスも崩れ、頭の血管が緊張して血圧が上がり、心臓など循環器系への悪影響も大きくなります。できるなら避けたてものです。
 仕事上、つきあい麻雀を要求されたり、麻雀が好きでどうしても止められない人でも、2,3時間で切り上げるのが賢明でしょう。”麻雀は人民にとってアヘンである”といったのは毛沢東ですが、サラリーマンの健康にとっても”アヘン”なのかもしれません。