体のことを考えすぎるあなたへ
日常生活での賢い健康法
Eジャズダンスなどの激しい運動をしても、やせることはない
 肥満防止のためにジャズダンスの教室などに通う男性も、すこしずつ増えている。運動量が激しく、大量の汗をかくことから、痩せるのではないかと思いがちだが、医学的にいえばそういう効果は少ないといって良い。というのも、ジャズダンスなどの激しい運動は、タンパク源のグリコーゲンを減らすだけで皮下脂肪を減らすわけではないからです。
 それでは皮下脂肪を減らすには、どんな運動が良いのかと言うと、激しい運動よりもジョギングや速足などのように長い時間をかけて酸素を必要とする、いわゆる有酸素運動がいいのです。
 激しい運動をする人と、軽くゆったりした有酸素運動をする人の食事を同じにして体重の落ち方をを調べたデータがあります。カロリー量を基本の1200カロリープラスそれぞれの運動に要する消費カロリーににしたところ、どちらも同じように体重は落ちていきました。
 しかし、その減った成分に大きな違いがあったのです。有酸素運動をしている人は、脂肪が90パーセントも減り、あとの10パーセントはタンパク質でした。それに対して激しい運動をする人は、脂肪は50パーセントしか減らないという結果が出たのです。
 つまり、いくら激しい運動をして汗をかいても、思ったほど脂肪分は落ちていないのです。そのうえ、激しい運動をした疲れから、どうしても清涼飲料水などを飲んでしまうことが多い。これでは、せっかく苦しい思いをして汗を流したのに、脂肪のもとになる糖分を体内に入れてしまうことになり、なかなか思うように痩せることはできないでしょう。
 また、
太りすぎの人が激しい運動をすると、心臓に負担をかけたり膝を痛めることにもなるので、かえって体を壊す結果ともなります。
 ともかく
肥満防止のための運動をするなら、ジャズダンスのような激しい運動は避け、時間をかけてゆっくりと体を動かすほうが効果は上がるのです。

Fスポーツで疲れたときの早期疲労回復術とは
 日頃、運動不足を嘆いている人が、久しぶりにゴルフに出かけたとしよう。いつもなら1ラウンドで終わるところを、その日はたまたま利用者が少なかったため、もう1ラウンド余分にまわってしまった。今度またいつやれるかわからないから、という気持ちも理解できるが、ラウンドの終わり頃には相当疲れを感じるはずです。そして重い足を引きずってクラブハウスに引き上げてきた彼は、まず何をすべきでしょうか。
 
風呂に入って汗を流す、これは良い。が、そのいあとのビールを一杯というのは良くない。疲労感がほとんどなく、心身ともにさわやかな気分でプレーを終わったあとなら良いかもしれないが、ふだん以上に疲れたときは避けたほうが賢明です。運動をすると血液の循環が良くなるからアルコールはどんどん吸収されます。反面、肝臓に流れる血液の量が少なくなるのでアルコールの代謝が遅くなる。そのため、いつもより酔いは早く、肝臓にも負担をかけるので、よけい疲れてしまうことになります。
 2ラウンドもまわって、さんざん水分とカロリーを消費しているのですから、とにかく
その分をきちんと補ってやる必要があります。体内から水分が排泄されると、血液の濃度が濃くなり血糖値が低下するので、肝臓や膵臓の働きも鈍ってきます。また、疲労は胃腸にもきている。こんなときは、体が吸収しやすい砂糖水やスポーツドリンクを飲むと良い
 スポーツドリンクの成分はナトリウム、カリウム、塩素、リン、ビタミンB群、C、ブドウ糖などで、他に清涼感を与え飲みやすくするためにクエン酸、リンゴ酸なども添加されています。
効用として、発汗に伴う水分や塩分の補給、血糖値(血液中のブドウ糖)の低下を抑えるための糖分の補給などがあげられます。
 運動の程度や個人の体力差によって飲用の効果は違ってきますが、運動によって消費するビタミンCやビタミンB1を補給する意味では、コーラやジュースなどのソフトドリンクよりははるかに効果があります。また、激しい発汗の後の水分補給の面でも、スポーツドリンクのほうが水やソフトドリンクに比べて吸収性が良い。
 ただし、スポーツドリンクはほかの飲料よりナトリウムを多く含むため、汗をかいていないときは飲まないようにしたい。日常的に飲み続けると高血圧を誘発することにもなります。
 そして、効果があるとしても、あくまで”一過性”のものだということを忘れてはならない。
本格的に疲労を取るには、スポーツをした後の整理運動をしっかりやり、ぬるめの風呂に入って体中の筋肉をやわらかくもみほぐすようにマッサージをする。そして栄養価が高く消化の良いものを食べて、ぐっすり寝ることです。