体のことを考えすぎるあなたへ
日常生活での賢い健康法
G寝つきが悪く、睡眠不足になっている人の昼休みの過ごし方
 夜、なかなか眠れない時は、羊の数を数えれば良いとか、むずかしい本をよ読んでみると良い、などといわれています。私はtめしてみたことはないのですが、はたして効果のほどはいかがでしょうか。効き目があるかないかは別にしても、そういう言い習わしやおまじないが昔からあるということは、寝つきが悪くて悩んでいた人が大勢いたということでしょう。
 
性格的にみて、やはり神経質でものごとを考え込みがちなタイプの人は寝つきが悪く、楽天家であまりものごとにこだわっらない人は寝つきは良い。
 職業的にみると、歩いたり体をよく使う人は寝つきが良く、1日中デスクワークで頭を使う人は寝つきの悪い傾向があります。つまり、
心地よく眠りに入るたねには、適度な肉体的疲労と精神的なリラックスが必要なのです。知的作業が多い人は、どうしても運動不足になるし、神経の緊張の度合いも高いので、寝つきが悪くなるのです。
 よく、次の日が遠足だとかデートだとかいう夜は、ワクワクしてなかなか眠れなかったことを経験している人も多いことでしょう。これは神経が興奮して高ぶっているからです。そして、早く眠らなければと意識すればするほど、かえって目がさえてしまう悪循環に陥ってしまいます。
 寝つきを良くするためには、まず緊張した神経をときほぐすこと。それには、寝る前に適量のアルコールを飲むのも良いでしょうし、ぬるめの風呂にゆっくり入るのも良いでしょう。また、ジョギングとまではいかなくても、速足程度で軽く汗ばむくらい歩いたり、ゴルフのクラブを振って体を動かすのも効果があります。
 そして、大事なのは眠くなるタイミングを逃がさないようにすることです。眠気は一定のリズムで訪れてくるので、一度逃がすとまた次の波がくるまで、眠れないということになってしまうにです。
 一般に1日8時間の睡眠が良いといわれますが、
睡眠は量ではなく質です。熟睡できれば時間は少なくても良いし、眠りが浅いと時間はたくさん必要になります。寝つきの悪い人のほとんどは眠りが浅いため、十分な睡眠時間をとっていても、寝不足の状態となるわけです。
 このような人は、やはりその足りない分うをどこかで補ってやらなければなりません。勤務時間中に居眠りするわけにはいかないでしょうから、昼食後に20分か30分眠るようにする。これだけで、睡眠不足は解消されますが、寝すぎると逆効果になるので、仮眠は30分ぐらいが適当でしょう



H決まった時間に排便できない人は、1日1回のチャンスを逃がすな
 近年、日本人の海外旅行も、香港やハワイといった”定食コース”から範囲を広げ、たくさんの人たちがインドやアフリカまで足を伸ばしています。その結果、ときには赤痢にかかってしまう旅行者が出ることになります。新聞やテレビのニュースでは、「海外から帰国して下痢をするようなら病院へ」と呼びかけていますが、その一方で、海外旅行に出かけて便秘になってしまう人が、けっこう多いことは意外に知られていないようです。
 もちろん、便秘は下痢ほど深刻な症状ではありません。とはいえ、けっして愉快なことではないことはたしかです。では、ふだんは規則的に排便できる人が、なぜ旅行すると便秘になりやすいのでしょうか。その理由の一つには、排便がきわめて習慣的なものであることがあげられます。
いつもの時間に、いつものトイレであれば、あえて意識することなく排便できます。しかし、なじみのないトイレで緊張したり、いつもの時間を逃がしたりすると、習慣としてのリズムが狂い始めることになります。
 人間が食事をして、消化吸収し排便するメカニズムは、いわば”ベルトコンベアー・システム”というべき流れです。いたがって、習慣が守られているかぎり、朝食後にすぐさま便意をもよおすという具合に、まるでトコロテンの「ように排便がうまくいきます。
 
便意というのは、蠕動といわれる大腸の収縮運動で、これは自分の意思である程度おさえることができます。そして、我慢すると次の便意をもよおすまでに時間がかかり便意自体も弱くなります。そのため、便秘になってしまいます。
 一般に、男性より女性に便秘が多いのは、この便意のチャンスを逃がしてしまうことが多いためと考えられます。主婦であれば、朝はご主人や子供を送り出すのが先になってしまいますし、赤ん坊のいる若い女性に場合、生活のリズムはどうしても赤ちゃん中心になってしまう。また、会社勤めのOLなら、会社や駅のトイレでは大便ができないといった、体面の問題も生じてくるかもしれません。
 そして、
便意をいったん我慢すると、排便を抑制するメカニズムが働いてしまいます。悪いことに、いつも我慢を繰り返している人は、それがクセになり、極端な場合は大腸が蠕動運動をしなくなるのです。
 現代に生きる私たちは、とかく時間に追われ、自分の都合よりも相手の都合に合わせて生活することを余儀なくされています。排便などは、人間のリズムのうちでもっとも本能的なもので、そのことは赤ん坊に便秘がないことからもわかります。つまり、便秘は現代人の人為的な病なわけです。したがって、万難を排して
その日の最初の便意を逃がさないことが大切なのです。