体のことを考えすぎるあなたへ
日常生活での賢い健康法
I便秘がちの人は、何を飲み、何を食べればいいか
 最近、日本でも大腸ガンが急激に増加しています。これは、食生活の変化によって便秘症の人が増えてきたことと大いに関係があります。つまり、
便を長時間、大腸にためると、便の毒素が大腸壁を刺激し、それが大腸ガンの一つの原因になるといわれているからです。
 最近、胃ガンは健康診断などでも必ず調べるし、物を食べると詰まるような自覚症状があるので、割合早く発見できます。しかし、大腸ガンの検診は胃ガンほど進んでいないため、発見されたときは、かなり症状が悪化しているケースが多く、いまでは胃ガンより怖い病気となっています。
 大腸ガンというには、もともと日本人には少なかったのです。というのは
日本人の食生活が、玄米を初めとして繊維の多い食べ物が中心で、そのため、便秘になる人も少なかったからです。ところが、近年では日本人の食生活も洋風化し、さらにはインスタント食品やレトルト食品を食べることが多くなってきたこともあって、繊維質の食品を摂ることが少なくなってきました。その結果、便秘症の人が増えてきたのです。
 
便秘を解消するにはよく言われるように、まずはゴボウや大根、サツマイモといった繊維質をたくさん含んだ食品を摂ることですが、そのとき、ニンニクを一緒に食べると、よりいっそう効果があります。
 ニンニクに含まれているアリシンやスコルジニンという成分が、大腸の粘膜を刺激して蠕動運動をうながし、便意をもよおす働きがあるためで、口臭を気にしなくていいなら生で食べた方が効き目は強い。
 また、ビールを飲むとホップや炭酸が腸を刺激するし、苦味が胆汁の分泌を促進するから、これも便秘解消に効果があります。
 さらに、朝起きたときに牛乳や昆布を漬けておいた水を飲むと、たいていの便秘は治るはずです。その上で、決まった時間に排便するクセをつければ、いやな便秘ともサヨナラができるというものです。




J市販の薬で風邪を治す人は、これだけは知っておいてほしい
 生まれてこのかた風邪をひいたことがないという人は、おそらくいないでしょう。シーズンになると、必ず2回、3回は風邪をひくという人もいるくらいですから、風邪なんて病気のうちに入らないという考え方もあります。
 周囲で風邪がはやっているとき、自分も少しだるくて熱っぽい、ノドが痛いという症状が出てくると、これは風邪をうつされたかな、と市販の風邪薬を飲み、寝る前に卵酒を飲んで終わりという人も多いでしょう。
 いわゆる感冒薬には、解熱剤、鎮痛剤が含まれているので、飲んだ当初は熱っぽさもとれ、体全体の症状も緩和してくるから、それで治ったような気がします。しかし、
その後また熱が出たり、体がだるくなり、食欲がなくなったりすると要注意です。そのときは医者にいくことです。医者にいかずに、「この薬、効かないから、別の薬にしようか」なんて、そのまま3、4日過ごしてしまう人は危険です。
 なぜかというと、
急性肝炎の初期症状が風邪に酷似しているからです。急性肝炎は、ほとんどがウイルスの感染で起こるもので、これといった予防対策もないため、かかってしまったら治療に専念するしかありません。
 このことは最近ではかなり常識になってきていますが、それでもまだ風邪だと軽くみていると、肝炎を悪化させてしまうことにもなりかねません。
 最初の症状から一週間もたってから、やはりおかしいと思って医者に行くのでは遅すぎるのです。その頃には、肝炎特有の黄疸症状も顕著で、かなりの重症になっています。この病気の期間は、せいぜい一週間から10日くらいで、入院から早くて二週間で肝機能はいったん正常値に回復します。
 しかし、ほんとうに正常にもどるには、最低でも三ヶ月はかかる。もっぱら安静と点滴による肝臓の庇護、あとは病人の忍耐力である。
 
ふつう急性肝炎では、治療の開始が一日遅れると、全治が一週間のびると言われています。だから、できるだけ早く発見することが大事です。急性肝炎だとわかったら、安静にして徹底的に肝臓をいたわることです。それを怠ると厄介な慢性肝炎になってしまう。慢性化してしまったら、治療によって症状を軽くすることはできても、完治は望めない。一生、病気とつきあうハメになります。
 風邪をバカにせず、少しでもおかしいと感じたら、直ぐに医者にみてもらう。これが急性肝炎を予防するための最善の策なのです。