禁酒しようか迷っているあなたへ
お酒と上手につきあう方法
@酒を飲む日は、昼食をいつもより遅めにとるといい
 酒は、普通夜飲むものだが、そのせいか、どうしても夕食がおろそかになりがちだ。何か食べたとしても、軽いツマミ程度だし、酒そのものからくる満腹感も手伝って、ほとんど量を食べられないという結果になる。そのため、酒を飲んだ日の栄養のバランスはどうしても偏りがちになります。
 1日だけなら、そのあとすぐ調整できるが、忘年会の季節や、また接待の仕事の多い人などは、バランスを調整する時間的余裕もないため、体調を崩すということにもなります。
 そこで、酒を飲む機会の多い人、また”長丁場”になることが事前にわかっているような日は、早めに夕食をとることをおすすめします。
 しかし、なかには”早目の夕食”など無理だと言う人もいるでしょう。その場合は、
昼食をできるだけ遅くとるように工夫していただきたい。昼食をふつうの時間帯でとってしまうと、肝臓の働きに必要な栄養分が、午後のうちにほぼ使われてしまうからである。
 私など、仕事を早めに切り上げて、ノドの渇きをうるおそうと、ちょっとビールを飲んだりすることがある。そうするとテキメンにお腹がすいてくる。これは、午後の仕事で栄養分を消費したにもかかわらず、そこにビールを流し込んで、血中に維持されている糖分までさらに消費してしまうためだ。昼食をできるだけ遅くとるのがいいのは、
栄養素のストツクを少しでも残しておくためである。
 また、そうしたときの食事内容だが、これは幕の内弁当にとどめを差す。これほどバランスのとれた内容のある食事はない。幕の内弁当の場合、まずご飯とおかずが半々になっている。だから、エネルギー源のバランスもちょどいい。おかずをみても、
豆類や卵、魚、エビフライ、野菜など、体にいいものがまんべんなく盛られている。酒を飲んだときに肝臓が要求する良質のたんぱく質、脂肪、ビタミンなどがバランスよく補給され、肝臓の働きを強化してくれることになる。
 同じような理屈で、洋食でもランチタイムなどによくだされるミックスグリルのようなものもいい。ライスにハンバーグ、魚のフライに温野菜、それにスープといった組み合わせのランチである。野菜サラダの添えられたものなら、尚のこと良い。
 反対に、飲む前に食べるものとして不適当なのは、栄養のバランスが偏ったものです。たとえば、丼物、うどん、インスタントラーメン、カレーライスなどといったものは、食べないよりはいいかもしれないが、栄養面からみると肝臓にあまりプラスにはなりません。

A飲む直前の悪酔い防止の”特効薬”とは
 
接待や付き合いなどで、毎日のように酒が続いている場合、食欲がなくなり朝食はもちろん昼食すらもなんとなく進まなくなる。これは、連日の酒による肝臓の疲労で、体全体がパワーダウンしているからだ。
 となると、どうすれば良いのかということですが、そうしたときは、
飲む前にドロップを二つ、三つなめておくのが良い。もちろん、キャラメルやチョコレート、ケーキでもかまいません。要するに肝臓にとって大切な栄養分の糖分を補給しておくという意味からです。
 血中にはいろいろなタンパク質が含まれていますが、なかでも生命維持の上で非常に大切なのは、アルブミンというタンパク質です。酒を飲むと、肝臓はアルコールを処理するためにこのアルブミンをどんどん消費します。このアルブミンを造りだすために糖分はなくてはならないものなのです。
 だから、飲む前に糖分を補給しておくと、それだけ肝臓の消耗を防ぐことができ、アルコールをスムーズに解毒することができます。
糖分は、いわば肝臓の”潤滑油”なのです。