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肝臓病、糖尿病のチェック・ポイント
肝 臓 病

 現代ほど、肝臓が痛めつけられている時代はない。

 
過当競争に近い事業、出世競争、満員電車に狭い家、騒音などのストレスに、サラリーマンは24時間攻め立てられているといってもいい。ストレスが蓄積してくると、それを解消しなければならなくなる。手っ取り早いのが、麻雀、パチンコ、競輪、競馬といったギャンブルです。しかし、いずれも勝負ごとですから、いつもいつもうまくいくとは限らない。負けたときは、やはりそれがストレスとなってしまう。
 結局は、支払った代価できっちり元が取れるアルコールへと、ストレス解消は落ち着くのです。そのうえ、
急性肝炎を引き起こすウイルスに満ちた環境、科学薬品の驚異的な増加といった要因も加わり、現代人の肝臓はいつも危険な状態に置かれています。
 肝臓というのは、よほど悪くならない限り自覚症状がないため、中・高年になったら肝機能検査を定期的に受けることが望ましい。
 ひと口に肝機能検査といっても、肝炎の指標となるGDPやGPTだけではありません。胆石に関する胆管系の諸酵素、黄疸指数やビリルビン値、血中の脂肪を示すいろいろな数値まで、全部で20項目以上あります。
 だから、肝機能が悪いと言われても、この肝機能検査群の中でどこがどのように悪いのかということが問題で、ただ肝機能が悪いというだけで即、肝臓病と考えるのは誤りです。


 2,3日過食が続くと中性脂肪の数値は上がるし、アルコールをよく飲んでいる人はガンマGDPという酵素の数値が上がります。知らない間に胆石ができているとビリルビンや胆管系酵素が異常値を示したりしることもあります。
 また、高熱疾患や全身の炎症性疾患、甲状腺の病気やネフローゼなどが原因でも、肝機能検査の中のどれかが異常な数値を示すことがあります。
 したがって、本当に肝臓が悪いかどうかを知るには、数多くある肝機能の中の異常数値のパターンを正確に読み取ることが必要です。
 肝臓病が怖いのは、急性肝炎--慢性肝炎--肝硬変と、順を追って悪くなっていくとは限らないということです。つまり、年月にともなって徐徐に悪くなるのではなく、飛行機がエアポケットに入ると落ちるように、
何かの引き金(たとえば大量飲酒、風邪、過労など)で、急激に悪化するのです。
 そして、
肝臓病はいったん悪化すると、飛行機のように元の高さまで上昇することは不可能で、一生懸命に治療しても現状の高さを維持するのが精一杯なのです。ただ、治療が適正であれば、その線を長期間保てることも事実で、下り坂一方ということはありません。
 肝臓の病気ほど、そのタイプ、活動性、原因などによってちがう治療が必要なものはなく、またこの病気ほど長い期間、根気と欲望に打ち勝つ強い意志を要する病気もないのですから、ともかく、日頃から肝臓をしっかりいたわってやることを心がけて欲しい。


糖 尿 病

  食生活が豊かになればなるほど糖尿病も増加の一途をたどり、現在では日本人のうち100万人が糖尿病であると言われています。飢えを知らない日本の「国民病」といってもいいくらいです。
 人間は、普通血液100cc中に80〜100ミリグラムのブドウ糖(血糖)が含まれています。食事をすると、この血糖は上昇するが、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されて、この血糖を正常値に低下させる。しかし、インスリンの働きがにぶ
って血糖が高い状態のまま血液中にあると、尿に糖分が溢れ出てくる。その状態を糖尿病というのです
 
自覚症状には、口の渇き、多飲、多尿、頻尿、疲労、多食、体重減少、神経痛、化膿しやすいこと、こむらがえり、手足のしびれ、インポテンツなどがあります。

 成人型糖尿病で徐々に発症するタイプでは、これらの症状はすぐには出てこないため、気がついたときにはかなり症状が悪化している場合が多い。また、糖尿病は病勢の程度でいろいろな段階がありますが、病状の程度と自覚症状の程度とは必ずしも一致しないことを知っておいて下さい。


 ことに、男性にとって深刻なインポテンツについては、病状とまったく一致しません。血糖値の異常高値や尿糖の出具合だけでは判明し得ない心因的な要素が大きく影響しているようです。
 糖尿病は、尿に糖分が排泄されるだけの病気ですから、ほかには何も影響がないように思われがちですが、血管がボロボロになったり、感染に弱くなり肺炎や風邪にかかりやすくなったりと、多くの病気の温床であることも知っておいて下さい。
 また、
糖尿病が怖いのは、いろいろな合併症を引き起こすからです。中でも手足のしびれや冷え、関節痛、下痢、めまいなどの神経障害、網膜症や白内障などの眼障害、腎不全を誘発する腎臓障害が発症するので、決して治療をおろそかにしないことです。