禁酒しようか迷っているあなたへ
お酒と上手につきあう方法
G「牛乳を飲めば悪酔いしない」という俗説のウソ、ホント
 
昔からよく言われていることに「酒を飲む前に牛乳を飲んでおくと悪酔いしない」と言うのがあります。理由は、牛乳を飲むと、胃壁に脂肪の膜がができるためアルコールの吸収スピードがにぶり、悪酔いしないですむというのです。
 残念ながら、この理由は医学的に間違っています。たしかに、牛乳の脂肪分は胃壁に膜を作りますが、それはほんの数分のことで、胃酸のために直ぐ剥されてしまいます。
飲む前に牛乳を飲んでおくと悪酔い、二日酔いが防げると言うのは、別の理由なのです。
 
それは、牛乳に含まれているタンパク質や脂肪分、ミネラル等の栄養分が肝臓に蓄えられ、いざ酒を飲んでも、肝臓が普通のとき以上のパワーを発揮し、アルコールをスムーズかつスピーディーに処理することができるからです。
 肝臓というのは、人によってそのパワーにそれほどの差はありません。しかし、それをフルに発揮できるにのと、80パーセントしか発揮できないのとでは、酒を飲んだときに大きな差となって現れてきます。
とくに、肝臓の処理能力以上の酒を飲んだ時、それははっきりと出てきます。たとえば、80しか処理能力のないところに、120のアルコールが入ったとしましょう。その場合、もちろん肝臓はフル回転するわけですが、40は余分です。この40については、とりあえず肝臓の側に余力がないから、十分に処理されない状態のままということになります。そして、それが悪酔いや二日酔いにつながるのです。
 しかし、もし、あらかじめ肝臓の能力を100までパワーアップしておいたとしましょう。すると、未処理のまま残るのは20に過ぎません。これくらいだったら、悪酔い、二日酔いにならないで済むのです。
 このパワーアップを可能にするのが牛乳というわけです。
 もう一つ、牛乳には胃酸を中和させるという働きがあります。胃潰瘍の人には、よく牛乳を飲ませますが、これは胃酸をできるだけ中和させて潰瘍の進行を防ぐためです。これと同じ理由で、酒を飲む前に牛乳を飲んでおくと、酒の量そのものが少なく抑えられるのです。

 
なぜなら、胃酸が多いと空腹感を覚え、そのため大量に食べたり、飲んだりしてしまうわけですが、その胃酸が牛乳によって中和されるために、空腹感がおさえられます。当然、食べる量、飲む量共に減ることになります。
 
もちろん、牛乳にかぎかず脂肪分の多い肉なども、同じような理由で悪酔い、二日酔いを防止するのに効果があります。

H大酒を飲んだ後の味噌汁は、肝臓アップに役立つ
 
バーやスナック、クラブなどが集まっているところには、必ずと言っていいぽど、遅くまで開いているラーメン屋
があります。そして、それらの店はけっこう繁盛しているようです。
 また、そういう店で食べなくても、家に帰ってから、お茶漬けを食べたり、夕食の残りをちょっとつまんだりする人も少なくありません。
こうした人たちが異口同音に心配するのは、「飲んだ後で食べるのは、そのあとすぐ寝るわけですから、太る原因になるのではないか」と言うことです。
 しかし、そうした心配は無用です。ビールなどを飲んでツマミをたらふく食べたあとで、さらに食べると言うのならともかく、ごく普通の量のツマミしか食べていない場合は、飲んだあと食べたものが原因で太ると言うことっはありません。酒によって体内に蓄積されるカロリーというのは、ほんのわずかですから。
 それよりむしろ、酒をたくさん飲んだ後は何か食べた方が良いのです。とくに、ラーメンや味噌汁など、水分の多いものが良い。
アルコールは体内に入ると、体内の細胞に含まれている水分をどんどん奪い取ってしまいます。脱水と言う状態で、よく飲んだ翌朝にノドの乾きを覚えるのはこのためです。ですから飲んだあと、そうした脱水状態を補う意味で水分を多く含んだ食べ物を摂るというのは、非常に良いわけです。

 ラーメンが胃の負担になると言う人は
、味噌汁が良い。とくにシジミの味噌汁などは、シジミの中に肝臓の働きに最も必要なグリコーゲンが多く含まれていて、アルコールや中間代謝物のアセトアルデヒトの代謝を早めてくれるので、一石二鳥と言う効果もあります。
 ラーメンによる太りすぎが心配な人は、食べたあとすぐ寝ないで、最低2時間は起きていることです。
 酒ばかり飲んだから、栄養も摂りたいし、早く寝たいしという場合、2時間早く切り上げれば、すべて解決するのですが・・・・・。