禁酒しようか迷っているあなたへ
お酒と上手につきあう方法
M肝臓のためには「毎日の適量」より、「週二日の大酒」がまだいい
 
よく「休肝日をつくれ」「週休二日制を守れ」といわれるのは、いくら丈夫なエンジンであっても、走り続けていればいつかは必ずオーバーヒートしてしまうのと同じで、肝臓にも休息を与えてやらないと故障してしまうからです。とくに肝臓は、取り替えることのできない臓器だから、いったん故障したらアウトということになってしまいます。
 そこで適量という意味が問題となってくる。ビールなら2本、お酒なら2〜3合といわれていますが、個人差もあり、一概にこれでいいということではありません。あくまでも目安にすぎないのです。
 自分で適量だと感じるのは、気分よく酔える状態になれる量のことを言っている場合でしょう。
酔うという状態は、肝臓が100パーセント、フル回転してアルコールを処理していることであり、休みなく働いているということです。それが毎日続くとなると、肝臓にとっては大きな負担となります。それに比べれば、週2回の大酒の方が、ほかの日は肝臓が休める分だけ良いといえます。ただし大酒といっても、適量プラスαのことで、意識がなくなるような量ではないことは、もちろんです。

N毎日、晩酌をしないと気のすまない人の飲酒の心得
 
仕事を終えたあとの一杯は、酒飲みにはこたえられないものです。同僚たちと杯を傾けながら、ワイワイガヤガヤ。これだけで、大半のストレスは解消されるものです。
 仲間と飲むのも楽しいが、心身ともにくつろいで一日の仕事を終えた開放感を味わうには晩酌のほうがいいでしょう。夏なら、風呂上りのビールに、ツマミは枝豆に冷奴。冬なら熱燗に鍋物といった具合に、奥さんの手料理ですから栄養が偏ることもありません。
 アルコールは神経の緊張をときほぐし、心身の疲労をとりのぞいてくれるばかりでなく、胃液の分泌をうながして食欲を増進させ、また血圧を下げる効果もあります。
 こんな効用のある晩酌ですが、問題なのはその量です。多少酔っても、そのまま寝てしまえばいいという安心感があるから、ついつい飲みすぎてしまうことがあります。こうなると効用どころか、かえって害になってしまう。
 また、夜遅く帰ってきて晩酌を始めると、翌朝になってもアルコールが抜けない場合があります。とにかく
晩酌は遅くとも10時までには切り上げるように心がけたいものです。そして、晩酌好きの人は休肝日をつくることも忘れてはいけません。

O高血圧だからといって酒をやめるのはナンセンス
 アルコールには血管を拡張させ、血行をよくし、血圧を下げる働きがあります
したがって、結論からいえば、高血圧だからといって酒をやめる必要はありません。
 ただし、これには条件があります。飲みすぎないことです。量によっては薬にも毒にもなるので、十分に気をつけなければいけません。
飲みすぎると、アルコールのために水分が失われ、血液が濃くなるから血圧はあがりますさらに、アルコールが体内から抜けるときに、拡張していた血管が収縮するので、一時的ではありますが、血圧は上昇します。
 しかし、ほんのりと顔が赤らんだくらいで酒をやめれば、アルコールは自然代謝で抜けていくので血圧が上がることはありません。脳内出血や脳梗塞などの脳の病気をした人も、量さえ守れば脳細胞の血管を拡張して血行をよくするのだからやめる必要はありません。ただ、脳内出血の直後は絶対に飲んではいけません。
 目安は日本酒なら1日に1合がいいところで、それを守れないような人には、残念ながらお勧めするわけにはいきません。
酒が薬になるか毒になるかは、あくまでも本人の意志にかかっているのです。