ハードワークに追われているあなたへ
仕事人間、これだけは知っておけ
@仕事のことで眠れないなら、居直って”断眠”するといい

 
「月末の資金繰りが気になって、夜も眠れない」という中小企業の社長さんがいれば、オリンピックの前日に眠れず、本来の実力を発揮できなかったという選手もいる。こにように、人間の心配ごとのタネは多く、眠れないと訴える人の数もまた多い。
 それとは逆に、明日楽しいことがあるという夜は、胸がドキドキ、ワクワクして眠れない場合がある。こんな経験は、おそらく誰にでもあるでしょう。
 ところが、いわゆる不眠症の悩みを訴える人たちのほとんどは、そうした強い不安感や興奮で眠れないというのではなく、
「なかなか寝付けない」「眠りが浅い」ことそれ自体を悩んでいるのが大半です。
 こんなタイブの人が、早くグッスリ眠ろうとして睡眠薬やアルコールに頼ってしまうのは考えものです。なぜなら、ほかの力を借りて、無理やり眠るのが習慣になれば、もう薬や酒なしでは床につけなくなってしまうからである。
 やはり、
正しい睡眠の取り方は、眠くなったら眠るという自然のリズムに従った方法しかない。「眠れんかったら寝るな。かならずいつか寝てしまう」単純といえば単純です。
 ふつう、寝つきの悪さというのは、精神の疲労によるものが大半です。それがストレスとなり、脳細胞を刺激して眠れなくさせてしまうわけです。精神がいかに疲れていても、肉体の疲れがそれを上まわれば人間はかならず寝てしまう。
 たとえば、健康な人は一週間くらい断食しても死にはしないが、断眠には耐えられない。不眠症を訴える人の中には、「ここ一週間、ほとんど寝ていないんです」などという人もいるが、それはだいたい本人の思い込みにすぎず、実際には睡眠時間が短いだけなのです。そして、
短い場合は案外眠りは深いものです。
 人間の体の仕組みはじつによくできていて、睡眠が短いなら短いなりに、深さでそれをカバーすることができるのです。もちろん、理想的なのは7,8時間のほどよい眠りですが、
睡眠の必要量は「時間X深さ」の、いわば二次元的な量としてとらえるべきなのです。
 この睡眠の深さというのは、たしかに寝ている間の出来事のため、自分ではわからない。しかし、必要量が足りなければ眠いはずですから、深刻に考えることもないわけである。要は不眠症とは肉体が疲れておらず、なおかつ睡眠の必要量は足りていることから生じた症状にすぎないのです。つまり、
寝不足こそが、もっとも効果的な治療法といえるのです。

A徹夜仕事で睡眠不足のときは、10分でも居眠りをする
 明日の朝は企画書を提出しなければならないのに、まだ半分もできていない。しかたがない、今夜は徹夜で仕事だ、という経験をした人も少なくないだろう。
 この徹夜仕事というのは、時間のわりには効率の上がらないものである。それは、
昼間の仕事に比べると疲労感がまったく違うからです。
 疲労というのは長時間作業を続けると急激に高まってくる。労働時間と疲労の度合いは正比例ではなく、2時間労働したからといって、疲労感は1時間の二倍とは単純には言い切れないのです。
 たとえば残業を2時間すると、昼の同じ時間の仕事より二倍も疲れるのが、納得できると思います。残業2時間でこれほどの疲労なのだから、徹夜仕事がいかに疲れるものか想像がつくでしょう。この徹夜仕事の疲労をとり、少しでも効率のいい仕事をするには、矛盾するようですが、睡眠をとるしかないのです。
 睡眠の場合は疲労の蓄積とは反対に、
少しの時間でかなりの疲労をとることができる。20分でも30分でもぐっすり熟睡できれば、2,3時間仕事をした分の疲労くらいはとれるのです。
 私も、前日ほとんど寝ていないときは、昼食後30分くらいは眠るようにしています。その30分で疲労はけっこうとれているものです。
 したがって、
徹夜仕事などで睡眠不足のときは、オフィスで10分でもいいから居眠りすることです。ただ問題は、居眠りしてそのまま寝過ごさないかということですが、これは訓練というより職業的責任感以外のなにものでもありません。責任感さえしっかりいれば、必ず目はさめるものです。