ハードワークに追われているあなたへ
仕事人間、これだけは知っておけ
B頭脳労働の疲れは、歩き方ひとつで解消できる
 諸外国から”働きバチ”というありがたい(?)ニックネームを頂だいしている日本人。一日中というより、一年中ほとんど頭を休めることもなく、知的な仕事に打ち込んでいる人の場合、まず心配なのがストレスです。俗にいう「頭の使いすぎ」で全身が疲労してしまい、一日や二日休んでも体がしゃんとしないということが起こってくる。毎日いやがおうでも頭を使わなければならない人が、こうした状態では困ったものです。
 もちろん、
まとまった休みをとり、何もせずにボーッと過ごすのが、一番の”治療法”なのですが、社内的な立場もあり、そこまでできる人は少ないに違いない。そこでお薦めしたいのが、歩くときに腕を大きく振ることです。小学生のように「イチ、ニ、サン」という感じであるくのです。
 ふだん運動不足の人は歩くのがいいといわれていますが、ただ漫然と歩けばいいわけではありません。歩き方にもちゃんとしたフォームがあります。
膝をしっかり伸ばし、足はかかとから地面につけ、つま先へと体重を移動させます。そして、腕を前後に大きく振り、胸を張って歩く。これが正しい歩き方の基本です。
 こういう歩き方をしばらく続け、少し汗ばむくらいになると、自然に歩くことだけに集中するようになり、頭の中から余計な雑念が消えてきます。。また、歩くことにより心肺機能も高まり、脳に送られる血液の量も多くなります。
 ということは、
脳の働きにもっとも必要な酸素も送られることになり、脳の働きも活性化してきます。さらに、脳細胞に十分栄養がいきわたり、老廃物も運び出されると脳下垂体のホルモンの分泌がさかんになり、全身の新陳代謝も活発になってきます。したがって頭がスッキリしてくるのです。
 ゆっくり体(特に頭)を休めることはできなくても、歩くことくらいは日常生活の中でできるはずです。多忙な頭脳労働が続き、頭も体もなんとなく疲れ気味の人は、ぜひ実行してください。

C運動する時間のない人は”万歩計”を持って歩く
 仕事に追いまくられているサラリーマンの多くは、日頃の運動不足を十二分に自覚しているのですが、「時間がない」という理由で、ほとんど運動らしい運動をしていないのが現状のようです。それでも、たまの休日にゴルフに行くくらいの肉体的、精神的スタミナのある人はともかく、休日はゴロ寝で過ごすという人は、ちょっと問題があるでしょう。
 運動というと、とかくゴルフとかテニスを連想しがちだが、
運動の原点は歩くこと。交通機関が発達し、エスカレーターやエレベーターがいたるところにある都会では、便利さに慣れきってしまい、その原点を忘れてしまっている。いや、知ってはいても実行しようとしないのです。
 歩くというのは全身運動なのです。体中の筋肉と200以上もあると言われている骨の60〜70%がまんべんなく動き、水泳やジョギングに匹敵する効果があります。しかし、ただ歩けばいいわけではありません。
背筋をピンと伸ばして胸を張り、腕を大きく振る。膝もしっかり伸ばして歩幅も広げる。そしてブラブラ歩くのではなく、一分間に100メートル以上のピッチで歩くことです
 足の筋肉と脳細胞とは緊密な関係にあります。
脚力が衰えてくると脳細胞の老化も早まり、したがって肉体的な老化も進むことになります。忙しい人、なかでも知的作業をしている人は、歩くことの大切さをもう一度認識してもらいたい。いつでも、どこでも、何の道具も使わずにできるのですから、極力車やエスカレーターなどは使わずに歩くことです。
 そうはいっても、人間というのは目的がないとなかなか長続きしない。とくに日本人にはそういう人が多いようです。そこでお薦めしたいのが、万歩計を持って歩くことである。特別な運動をしないかぎり、一日の運動量は歩いた時間と距離で、おおよそ解るようになっています。
 ところで、
なぜ一万歩かというと、まず区切りがいいことと、カロリー的にも300カロリーを消費することから、運動不足の解消にはもちろん、肥満防止の面からも効果があるからです。
 職業別にみると、一日の歩数が一万歩を越えるのはセールスマンか電気やガスなどの集金人で、あとの職種はほとんど一万歩を越えることはありません。電車やバス通勤のサラリーマンで8000歩、マイカー通勤だと3600歩。もつとも歩くことが少ないのはタクシーの運転手で、2400歩というデータもあります。
 健康維持、病気予防のためには、とにかく歩くことです。朝、少し早めに家を出て、電車一駅分まくらいの距離は歩くくらいの気概がほしいものです。