ハードワークに追われているあなたへ
仕事人間、これだけは知っておけ
I目を酷使している人のための栄養学

 
企業のコンピュータリゼーションにはじまる情報社会の波は、一般家庭にもパソコンが普及するほどの勢いをみせています。そうした状況に伴って、OA機器による目の疲れを訴える人が急速に増えてきたようです。直接OA機器を使用している人に限らず、ワープロの文字やファクシミリのコピーなどに目をとおさなければならない人にも及んでいるように思われる。
 かつては手書きのものが多かった書類や報告書も、しだいに細かい文字がギッシリ詰まった密度の濃いものになり、文字それ自体はきれいで読みやすいとはいえ、たしかに目の負担は大きくなるばかりです。
 ところで、
小さな文字やOA機器の画面を追って目が疲れるのは、視神経の疲れによるものです。これが極端な場合、網膜の炎症を引き起こすこともあります。かつては、病理学を研究する医学者が顕微鏡とにらめっこばかりしていて、中心性網膜炎によくかかりました。要するに目のピントが合う部分に炎症が起き、物が見えにくくなる病気なのです。
 
一般にどんな疲れであれ、それを癒す最善の方法は休むことで、目も例外ではありません。しかし、困ったことに、人間の目は眠っているとき以外は休むわけにはいきません。そこで、比較的に目の休まる状態である「遠くを見る」ことが必要になります。
 目の機能は本来、遠近両用のものですが、都会に住む人は、ともすれば近くのものばかり見るという”近視眼的”生活を送りがちです。しかも悪いことに、もっとも目の休まる色彩である木や草花の緑からも縁遠くなっています。
 したがって
対策としては、まず何よりも目をリラックスさせることが肝心です。一定時間パソコンや細かい文字と付き合ったらなら、できれば木々の緑や遠くの風景をながめて、視神経の緊張をほぐすように心がけたい。
 そのいっぽうで栄養的な配慮も忘れなければ、なお効果をあげることができるはずです。いわゆる鳥目(夜盲症)が、ビタミンAの不足のよる病気であるこちはよく知られています。しかし、この特定の症状に限らず、
ビタミンA、ビタミンBは、目の機能の働きを総合的によくする効果があります。
 
こうした栄養をたっぷり含んでいるのは、やはり何と言ってもレバーなどの臓物、すなわち肝をおいて他にはありません。目が疲れたなと思ったら、目薬をさすよりもレバーを食べたほうが、はるかに良い効果を生みます。情報化社会で生き抜くためには、夜空の星でもながめながら屋台の焼鳥でもつまむのがいいのかも知れません。



J疲れているときの接待ゴルフには、この食事がいい

 
ゴルフやスキーなど、遠出して行うスポーツには、持続するエネルギーが必要です。そんなとき、誰でもスタミナのつく料理を食べようとしますが、この「スタミナ」というのが、以外に誤解されているようです。
 おそらくスタミナ食ときけば、
たいていの人
ウナギや焼肉などを思い浮かべるのではないでしょうか。要するに、高タンパクで、脂っぽい食べ物です。
ところが、このような食べ物は、日頃の筋力強化や、長い目でみたときのスタミナ食ではあるが、いざというときの短期的なスタミナ食とはなりません。スポーツをする当日のエネルギー源になるのは、ご飯や甘いものなどの糖質なのです。
 たとえば、日本のマラソン選手は、朝食に朝食にモチを食べる人が多い。それが、長距離競争の持久力をささえているわけです。
 運動をすると、心臓の鼓動が高まり呼吸が荒くなるものですが、これは、酸素を使って血液中や筋肉の中の糖質を消費して、エネルギーをとりだしているためです。運動が持続し、血糖値が下がると、肝臓が蓄積していた糖質を血液へと補給して、一定に保とうとします。
 ところが、糖質の蓄えが不足すると、血糖値は下がりっぱなしになり、へたをすると脳へのエネルギーが不足して気を失いかねません。短期的なスタミナ食とは、この蓄積につながる食べ物のことなのです。そして、糖質をたっぷり食べるほどエネルギー源の蓄積につながるわけですが、
注意したいのは、消化のいいものを選ばなければ役に立たないという点です。
 そうすると、やはりご飯などのデンプン質が最適ということになります。
日本では、昔から遠足や山登りにはおにぎりを持って行くのが普通ですが、まさに、持久戦のスポーツにふさわしい食べ物ということです。
 そして、小休止するときに甘いものを食べる。これも、血糖にかかわる時間のもっとも早い食べ物であり、たいへん理にかなっています。