ハードワークに追われているあなたへ
仕事人間、これだけは知っておけ
P風邪ぎみなのに会社を休めないときは、おじやを食べる

 
風邪という病気は、どうも軽くみられてしまう宿命にあるようです。「万病のもと」といわれながらも、現実には風邪をひいたぐらいでは会社を休めない人の方が多い。テレビのコマーシャルではないが、「はってでも出て来い!」と言われても文句は言えない。たしかに、若いうちなら、それで大丈夫なこともあろうが、年をとるとともに、回復にも時間がかかり、ときにはこじらせて、大病のもとにもなりかねないのが風邪です。
 にもかかわらず、風邪には特効薬がないといわれています。たしかに、セキが出たらそれを止める鎮該剤とか痰の排出をうながす去痰剤といった薬はあります。しかしそれは風邪の一症状をおさえているだけで、風邪そのものを根本から治療してしまうものではありません。つまり、
現段階で風邪に対してできる医学的な治療とは、人間の体がみずから治ろうとする自然治癒力の手助けをすることなのです。
 では、人間の体が風邪をみずから治そうとするとき、そのもっとも有効な方法とは何か。それは十分な休養をとるということです。何を当然なことをと思われるかもしれませんが、十分な休養をとってこそ、薬による医学的な治療も有効になるのです。
 風邪をひいているのに会社にいくということは、本来、休養にあてるべき時間を、仕事にまわしたということです。その意味で、体には二重の負担がかかっているわけです。したがって、どうしても仕事をしなければならないのなら、それ以外の時間は、すべて体の休養にあてるということが先決になってきます。それによって侵入してきたウイルスに対抗できるだけの体力を養うわけです。
 また、このウイルスも、種類によって体の何処に侵入してくるかわかりません。胸に入れば肺炎になるし、肝臓に入れば急性肝炎をも引き起こす。そして、胃や腸に入ってくることもあります。したがって、風邪の予防のためばかりでなく、栄養を十分にとることが大事です。
 そこで、
風邪ぎみなのに会社を休めないときは、朝食に「おじや」を食べるといい。鶏のササミ、卵、野菜などの具をたくさん入れれば栄養価の点でも申し分ない。熱いので汗もかくし、何よりもゆっくり食べることになるから、なおさら消化にもいい。さらにポン酢を少しいれることによって食欲が増す。食欲がないからといって食事を抜くと、それだけ体力を消耗することになり、風邪に一番悪い。無理をしても食べることです。
 しかし、風邪で喉が赤いときは胃の粘膜も赤く、軽い急性胃炎と同じような状態になっています。そのため食欲もなくなってきます。食欲がないからといって、あまり食べないでいると、かぜの回復も遅くなるといった悪循環になってしまうのです。

Qいくら仕事がハードでも、ドリンク剤の飲みすぎは問題だ
 
「疲労回復、体力増強」などとテレビや新聞、雑誌で盛んに宣伝されているからでしょうか、出勤前、駅の売場でドリンク剤を飲んでいるサラリーマンの姿をよく目にすることがあります。
 ドリンク剤は、駅の売店やスーパーなどで売っている清涼飲料水系と、薬局でなければ買えない医薬品系とがありますが、結論から言えば、どちらも過信は禁物です。
 ドリンク剤を飲むと、確かに何となく効いたような気がします。しかし、この正体はアルコールなのです。アルコールは生薬の抽出や成分の溶解には不可欠のもので、ドリンク剤には必ずはいっています。
 つまり、
アルコールによって体が一時的に興奮状態になるため、元気が出たように感じるだけなのです。また、ドリンク剤には糖分が多く含まれているので、長く飲み続けていると糖尿病を誘発する恐れもあるので気をつけたほうがいい。
 栄養補給の面でも、毎日の食事をきちんととっていればそれで十分で、ドリンク剤などに頼る必要はありません。残業続きで疲れたという場合には、一時的には栄養補給の効果はあるかもしれませんが、健康な人であればひと晩ぐっすり眠れば疲れはとれるものです。


R1日中座りづめの人は、固いクッションの椅子がいい
 近頃ではクッションのやわらかい立派な椅子のある劇場や映画館が増えてきました。はじめのうちは座り心地がいいのですが、1時間もすると腰のあたりがつかれてきて、あちこちへお尻を動かすことがよくあります。それに比べて、野球場の外野席などはヒジかけも背もたれもない固い木のベンチなのですが、3時間くらい座っていてもそれほど疲れないものです。
 医学的にも人間工学的にみても、
クッションのやわらかいものよりも固い椅子のほうが疲れにくい。したがって、1日中座りっぱなしで仕事をする人は、椅子の選び方に十分注意してください。クッションが固いのはもちろん、高さは座ったときに大腿部がほぼ水平で、上体と大腿部が90度以上の鈍角になり、楽に足が床につくくらいが適当です。背もたれは肩甲骨のすぐ下まであり、全体的に少し後ろに傾斜しているものがいい。
 しかし、どんな椅子でも長時間座っていることは、腰や体にとって相当な負担となることはいうまでもありません。体重が60キロの人は、立っているときは腹筋の力で腰への負担は60キロなのに、座ると腹筋が働かなくなるから120キロにもなってしまう。したがって、
デスクワークの多い人は、少なくとも2,3時間に5分くらいは簡単な体操や膝の屈伸をすることです

S不規則な仕事の人は、休日に、”時差ボケ”を解消する
 
人間の体は、心臓や肺のように何十年も連続して働きづめの部分と、そうでない部分があるが、基本的には睡眠を軸にしたそれぞれのリズムをもっています。そして、ある程度の乱れには対応する能力をもっているとはいえ、その慣れにも限界があります。海外旅行をしたときの”時差ボケ”のように、いったんリズムが狂ってしまうと、なかなかもとにもどらないこともあります。
 やはり、規則的なリズムを守ることが体調をよくするわけで、問題なのは仕事の関係で不規則な生活を余儀なくされている人の場合です。たとえば、夜勤のある職業や、非常に残業の多いサラリーマン、海外や泊りがけの出張の多い人などがそうです。
 こうした仕事のリズムが不規則な場合、疲労の蓄積とその解消を24時間の単位で区切っていくのが困難となり、まず心臓や肺以外の連続使用に耐えられない体の器官が疲れてしまう。そうなると手足や腰、さらに眼や胃腸が弱ってくるのである。
 結論をいえば、
そうした疲れをとる唯一の方法は、ときどきは本来のノーマルなリズムにもどして調子を整えるしかないのです。できれば1,2ヶ月に1回というように、まとめて数日の休暇をとり、いわば”時差ボケ”の解消にあてるのが一番いいのですが・・・・・・。