つい吸いすぎてしまうあなたへ
愛煙家のための健康術
@タバコを半分で消せば、ニコチン、タールの害はグッと減る
 
日本たばこ産業株式会社では、売り出しているタバコの全銘柄についてニコチン、タールの含有量(1本あたり)を発表しています。皆さんも、タバコ屋さんの店先などて、そうしたものをみたことがあると思います。その数字をみて「わっ、怖いな」と思うか「なんだこんなものか」と思うかはともかく、あの数字は、タバコを先端から根元まで全部吸った場合の量を示しているのでする
 だが、実際に
タバコを根元まで吸う人はいないと思います。ほとんどの人が先端から2/3くらいのところまで吸ったらモミ消しているのではないでしょうか。そうだとすれば、体内に入るニコチン、タールの量は、表示量よりかなり少なくなっているはずです。

 これはタバコを先端からどのあたりまで吸うかということと、体内に吸収されるニコチン、タールの量との関係をしめしたものです。たとえば先端から半分のところまで吸う人は、1本に含まれる全ニコチン、タールの1/4の量しか体内に入っていかないということです。
 また、先端から2/3あたりのところまで吸う人は、約半分のニコチン、タールが体内へ吸収されるということです。
 つまり、ニコチン、タールの吸収量は、半分で吸うのを止めたから1/2、2/3のところで止めたから2/3ということにはならないのです。このことからいえるのは、タバコを吸うなら、らめて、先端から半分のところまできたら火を消したほうがいいということです。
 
タバコは最初の一口よりも、あとになるにつれて強い感じがするはずです。これは、ニコチンヤタールが順送りに、根元の部分に向かって移動していることを示している。だから実際には、上の図のカーブはもう少し急なものになっていると思います。シケモクなど、そうした意味では最悪といえるのです。

 
A酒を飲みながらのタバコは、ひかえるのが賢明
 
関西の左党なら知る人ぞ知る居酒屋がある。この店の壁には次のような貼り紙がしてある。
 「
おいしく飲むために、当店ではタバコを吸うことをご遠慮ください。」というものだ。店としては、「おいしい酒をおいしく飲ませる」という目的のほか、タバコの嫌いなお客に対する配慮をしているわけである。
 しかし、それだけにとどまらず、医学的立場からみても、酒をのむときにタバコを吸わないというのは、体にとって非常にいいことなのです。
 それは、
有害物質であるニコチンがアルコールに溶けやすいからです。酒を飲んでいないときに吸っているタバコのニコチンは、その約30パーセントが体内に吸収されるにすぎませんが。酒を飲んでいるときには、ほぼ100パーセントに近いニコチンが吸収されてしまうのです。
 こうなると、ニコチンは胃、膵臓、膀胱など、体のすみずみまでくまなくいきわたってしまい、いやおうでも
ガンの原因をつくることになる。とくに、ニコチンは胃や十二指腸には非常に悪い影響を与える。
 潰瘍のある人にとって酒は十分な食事をしたあとなら、それほど問題はないが、タバコはいけない。それは、ニコチンの作用で胃液分泌のバランスが崩れるからです。
 また、酒を飲みながらタバコを吸うと、どうしても本数が増えがちだ。体内に入っていくニコチンの量というのは、肺で”感じる”ものです。ところが
酒を飲んでいると、アルコールにニコチンが溶けてしまうため、いつもより多く吸ってもなかなか満足感が得られないのです。
 そのため、タバコの本数はどんどん増えるという悪循環に陥ってしまう。これは、皆さんにも経験があることでしょう。とにかく、酒を飲むときのタバコは、普通のときよりも本数を少なくするように心がけましょう。