つい吸いすぎてしまうあなたへ
愛煙家のための健康術
Fヘビースモーカーは、たくさん水を飲むと良い
 
 体内に吸収されたニコチンやタールなどの有害物質は、いわゆる体の清浄作用によって、排尿というかたちで対外に排出されるシステムになっています。その新陳代謝を活発化させるには、水を飲むのが一番簡単短で手っ取り早い。したがって、タバコを多く吸う人はたくさん水を飲むと、ニコチンなどの有害物質を早く体外に排出できるというわけです。
 また、寝る前とか朝起きたときなどの
空腹時にタバコを吸うときも水を飲んでおくと、その害を少なくすることができます。なぜなら、ニコチンは肺に入るだけでなく、唾液に溶けたりして胃にも入っていきます。すると、ニコチンが胃のガストリン細胞という細胞を刺激して、高酸度の胃液を分泌させるのです。また、空腹時には胃はからっぽで動かないから、高酸度の胃液を流すことができず、自壊作用を起こして胃潰瘍になってしまいます。
 さらに、血中に溶けたニコチンの作用で、胃壁の毛細血管が収縮して血行を悪くし胃の働きをにぶくするため、空腹時のタバコは、胃にとっては強烈なダブルパンチとなるのです。
 また分泌される胃酸の量が多いと十二指腸にまで入り込むことがあります。十二指腸の中はアルカリ性で、普通の胃酸なら中和してしまいますが、高酸度の胃酸だと中和できません。そのため酸に腸壁がおかされ十二指腸潰瘍になることもあります。
 空腹時のタバコはこんなに害があるのですが、それも水を飲むことで、ある程度おさえることができます。つまり、
水によって高酸度の胃酸を中和することができますし、胃や十二指腸が蠕動運動をうながし、胃酸をどんどん先へ流すことができるのです。
 さらにいえば、水よりもイオン水つまりスポーツドリンクの方が良い。というのも、水を飲んで尿をたくさん出すとカリウムも一緒に失われてしまうため、それを補給する必要があるからです。
食べ物ではバナナとかリンゴ、シイタケ、ホウレン草、海草などがカリウムを多く含んでいます。水をたくさん飲んだときは、こうした食品をとることも忘れてはなりません。


G"チェーンスモーカー”は、1日1度の腹式呼吸を心がける

 タバコというと、ニコチン、タールの弊害が口うるさく叫ばれがちだが、タバコの害はもちろんそれだけではありません。喫煙という、煙を吸う行為そのものが、体に悪影響をもたらすことも忘れてはなりません。たとえば、朝から晩までたて続けにタバコを吸う”チェーンスモーカー”の人などは、本来酸素をとり入れるための呼吸に常に煙が混じるため、軽い呼吸障害に陥りがちです。しかも血液中の酸素が不足することに加え、タバコの煙に含まれている一酸化炭素の影響で、酸素とヘモグロビンの結合が妨げられることになります。つまりヘビースモーカーの体は、いわば”酸欠”状態に陥っているのと同じなのです。
 こうした”酸欠”状態で長い間過ごしていると心臓に負担をかけ、動悸、息切れのもとになります。そこで提案したいのが、
1日1度、腹式呼吸をやってみることです。この方法なら酸素を大量に体に入れることができ、タバコによる酸欠にも効果的です。仰向けに寝て、手を腹の上にのせ、腹を膨らませるように息を吸う。口は閉じ、鼻で息を深く吸い、そしてゆっくりと鼻から出す。これをマスターすれば、喫煙による酸欠もかなり補えるはずです。

Hタバコの害を減らす食べ物を知っているか
 ワカメは味噌汁の具にはよく使われたいますが、キュウリなどといしょに酢の物にして食べることもできます。
 ”赤ちょうちん”だどの、いわゆる一杯飲み屋ではツマミとしてよく出るのですが、じつはこの
ワカメの酢の物がニコチンによる動脈硬化の害を防いでくれるのです。
 ワカメなどの
海草に含まれている繊維質は、血管を活性化させる働きがあります。また、ナトリウム、カリウム、リン、鉄分というミネラルも多いため、体内の代謝を非常に潤滑にしてくれるので、ニコチンが及ぼす悪影響を少なくすることができます。いっぽう、酢には塩分がほとんどありませんし、血管の壁にコレステロールが付着するのを防ぐという長所があります。つまり、ワカメの酢の物は、非常に体に良い料理というわけです。
 またケーキや饅頭など甘いものが好きな人にも、酢の物は良い。甘い物を食べると、血液中の中性脂肪が増えます。その中性脂肪からコレステロールができるのですが、
酢にはその中性脂肪を体の中で上手にエネルギーとして燃やしてしまうのを助ける働きもあります。タバコを吸う吸わないにかかわらず、機会あるごとに食べて欲しい食品です。