成人病が気になるあなたへ
食べ物、食べ方でこんなに違う
(24)太りすぎのうえに、食欲が抑えられない人のトレーニング法
 
人間には身長に
応じて標準体重というものがあります。いろいろな計算方法があるようですが、いずれにしろ身長から100を引いた数字のプラスマイナス10パーセント以内であれば、その人は病気、とくに成人病にかかる率が少ないということは事実です。
 その数字から明らかに10キロ以上体重が多い人は、減量するにこしたことはありません。
減量のコツは1ヶ月に1キロ減れば、それで良いことにすることにある。ときにリッチな食事をしてしまったからといって、それを気に病んだりする必要はありません。
 そして、どうしても理想の体重に落ちなければ、そこまでがその人にとっての減量の限界と考えたほうがいい。というのも、なかなか標準体重に下がらない人には、多血症のケースが多いからです。
 多血症というのは、骨髄の働きがよすぎて、血液中の赤血球=ヘモグロビンの量がひじょうに多い状態をいいます。そのため、たとえ食事の量が少なくても、赤血球の働きすぎによって、
食べたものがほとんどロスなく栄養として吸収されてしまうわけです。
 そこへもってきて、多血症の人は、どちらかというと食い意地がはっています。
胃液の分泌もさかんで、すぐお腹がすく状態になる。また、胃のほうでも多くを求めるから、いよいよ食べたものは残らず消化吸収されるという状態になってしまいます
 そうした多血症の人にすすめたいトレーニングとして、次のようなものがあります。
 @決められた時間以外に食事はとらない、Aj決められた場所以外では食べ物を口にしない、B三食は均等にして、一度のドカ食いはしない、Cテレビをみたり、新聞を読んだりしながら食べない、D人としゃべりながら食べない、E夕食は夜8時までに食べる、F夕食後は、お茶以外口にしない----などです。
 以上を実践すれば、かなりの効果があるはずです。それも本人の決意しだいということなのですが・・・・・・。


(25)体にいい間食、夜食の楽しみ方
 ”ロックンロールの王者”といわれたエルビス・プレスリーが突然
死んでしまったとき、さまざまな憶測が流れたものです。いわく「麻薬によるショック死」、またいわく「睡眠薬中毒」と。しかし、その後しだいにわかってきたには、生前のプレスリーの異常な食生活です。
 彼はもともと、アイスクリームやフルーツパイのような甘いお菓子が好物だったのですが、
晩年はそうした間食が”主食”になっていたという。こんなものばかり食べていれば、肥満体になるのはもちろん、医学的な見地からすれば、まさに自殺行為です。
 肥満に悩み、マスコミからも隠れたといわれるプレスリーは、結局それが原因とわかっていても、甘いお菓子を食べることが止められず、命を落としてしまったわけです。この話はいささか極端な例には違いないけれども、間食の怖さをよく物語っています。三度の食事以外の間食や、寝る前につい食べてしまいがちな夜食は、栄養のバランスをそこない、ひいては体調を崩す原因になります。
 まず間食ですが、菓子類に多量に含まれる砂糖が胃の粘膜を強く刺激して、胃液の分泌量を増やすことになる。その結果、胃壁がおかされ
胃潰瘍にもなりかねない。また夜食をとって十分消化されないうちに寝ると、眠っている間に血液中の脂肪分が増えてしまう。そうした生活が続くと、太るだけでなく脳障害や心臓発作で倒れてしまうことにもなりかねない。
 とはいえ、世の中にこれだけ美味しいものが溢れていると、ついつい食べてしまうのが人情で、それがクセになると、なかなか止められない。あるいは、一念発起して禁煙した人が”口がさびしい”ため、何かを食べずにいられないというケースにもよく出会う。
 こういう場合、けっして体が食べ物を要求しているのではなく、口がさびしい状態、いわば精神的に空腹になっているわけで、結果は
カロリー過多、すなわち肥満への道をたどるほかはない。もちろん、誰でも食事と食事との間に、何か食べたくなることはあります。仕事で疲れたときなどがそうですが、じつは体が要求しているのは、カロリーではなく栄養なのです。
 したがって、間食や夜食の問題点は、本来ビタミンやミネラルといった”元気の素”が必要なのに、インスタントラーメンに代表されるデンプン質を摂り過ぎてしまうことにあります。できることなら、三度の食事でカロリーも栄養もまにあわせるのが理想ですが、間食のクセがどうしても直らないなら、せめて
低カロリー、高栄養の食べ物をよく吟味することです。
 塩分とデンプン質が多いスナック菓子やラーメンは避けて、
甘味の少ない乳製品などを選ぶようにすれば、食生活のバランスははるかに改善されます。こんな配慮をしていたら、プレスリーもまだまだ長生きしていたはずなのですが・・・・・・。