成人病が気になるあなたへ
食べ物、食べ方でこんなに違う
(26)甘い物を食べ過ぎる人は、この時間だけは我慢しろ
 
太る原因は、何といってもやはり砂糖だということで、コーヒーはブラック、ッケーキは厳禁などと一種の砂糖恐怖症に陥っている人も少なくないようです。たしかに、砂糖は虫歯を増やし、血中の脂肪を増加させて肥満のもとになりやすいことは否定できない。けれども、砂糖には甘くて美味しいというだけでなく、それなりの効用もあります。
 糖分は、疲れたときの体力回復や精神的なくつろぎに、他のものでは代用できない役割をもっているため、砂糖を一概に悪者扱いするのも考えものです。要は、食べ方によって毒にも薬にもなるということです。つまり
体内に蓄積されずに、エネルギーの補給だけに使うという摂り方をすれば問題はありません。
 
その場合、一日のうちでいつ食べるかが肥満になるかならないかの分かれ道になります。人間の体と食事の関係は、おもに日中がエナルギーを消費する期間であり、夜、特に睡眠中はエネルギーの蓄積にあてられる。つまり、同じ砂糖を摂るにしても、夜、甘い物を食べると脂肪として蓄積されやすいわけです。したがって、ケーキなどはせいぜい午後3時のティータイムくらいまでに食べるようにすれば、肥満の恐れはかなり減るということになります。

(27)間食グセを止められない人は、和菓子にすれば太る心配が少なくなる
 
間食は夜食とともに、肥満の大敵だといわれています。
ただし、それは1日に3度の食事をしっかり摂り、なおかつ間食をするという場合で、そうなるとカロリーオーバーは目にみえています。しかし、どうしても何か食べないと我慢できない人というのは、せめてケーキなどの洋風の菓子を避けて和菓子にすると、太る心配が少なくなります。
 
たしかに、クッキーとかショートケーキなどは、砂糖やミルク、バターがたくさん含まれていて、カロリーも高く脂肪も多い。脂肪が多いということは、それだけ胃の中に留まっている時間が長く、なかなか小腸までいかないから、血糖値が上がるまでに時間がかかります。そのため、何かを食べたという意識が薄く、夕食も普通どおり食べてしまうことになります。
 
それに比べて和菓子のほうは、砂糖の塊といっていいほど糖分が多い。そのため食べてしばらくもしないうちに血糖値がグンと上がり、すぐに満腹感を覚えることから、それほど量は食べられないものです。そして、よほどたくさん食べないかぎり、カロリー的にも心配することはないし、満腹感が持続することにより、その後の食事の量が減るという店で和菓子のほうが肥満になる度合いは少ないといえるでしょう。

(28)肉が大好きな人は、朝食にステーキを食べれば偏食の害を防げる
 
朝の果物は金」という言葉があります。果物は夜食べるよりも、朝食べたほうが体にいいという意味ですが、これはなぜなのか。この言葉は、けっしてウソではなく、医学的な裏づけがあります。
 というのも、
夜、果物を食べても、朝にはその果物から得たビタミンが尿とともに外へ出てしまうので、ビタミンに関するかぎり、朝に食べてこそ”金”なのです。また、朝は体の新陳代謝のスタートを切るときで、水分が必要になります。コーヒーや牛乳、ジュースなどで、その補給をするわけですが、本物の果物にまさるものはありません。
 健康的な朝食といえばジュースや果物。軽いパンといった、いわゆるホテルの朝食のイメージがありますが、朝食に本格的な肉料理などは好ましくないかといえば、けっしてそんなことはありません。
1日に摂取するさまざまな栄養は、どんどん朝から摂り入れて構わないのです。

 
とはいえ、朝食は、あっさりした物のほうが食べやすいことも事実ですから、これは、肉や脂っぽいものが大好きな人に限られるでしょう。朝や昼をデンプン主体の食事にすると、どうしても夜にはステーキなどのしっかりした本格的肉料理が食べたくなるものです。そうなると知らず知らずのうちに、夕食偏重型の食事パターンになってしまう。これでは果物と同じく、ビタミンの摂取効果が悪くなるのです。
 
牛肉や豚肉、レバーには豊富なビタミンB群が含まれていることは、ご存知のとおりです。このビタミンは、食べた栄養素をエネルギーに変えるうえで、大変重要な役割を果たしています。ところが、ビタミンB群は、普通摂取してから5,6時間の寿命といわれており、いくらまとめて摂っても、体内に蓄積することができません。
 本来は三食ごとにビタミンB群をとる必要があるのですが、ともすれば、夕食に偏ることになり、代謝が活発に行われて、エネルギーを消費する日中の大事な時間に不足することになりかねない。さらに、肉料理には脂がつきものですから、高カロリーになる恐れも多くなります。結局のところ
朝食にステーキやレバーなどの肉料理を食べることは、栄養学の立場からみると、まさに理想的といえるのです。
 
夕食に摂った高カロリーの消費もできないうちに眠ってしまうのは、ブロイラーの鶏とまったく同じで、すすんで肥満をもとめるようなものです。
 
たっぷりした食事を摂った後は、インスリンというホルモンが多く分泌され、唐を脂肪にかえ、なおかつ蓄積させる働きがある
ため、成人病のもとになると言っても過言ではありません。極端にいえば、朝夕の食事を逆転してちょうどよくなるのです。