★夏バテ解消のヒント
 
「だるい」「食欲がわかない」「何をしてもすぐ疲れる」・・・。
あなたの体にこんな危険信号はでていませんか?
毎年夏バテに悩まされている人も、
気付かぬうちに夏バテに近づく生活を送っている人も、
年々厳しくなる暑さを元気に乗り切るために、
きちんと対策をたてたいもの。
まずは、今年のあなたの夏バテ度をチェックしてみましょう。
今年も夏バテに・・・・・・・?
夏バテ危険度チェックリスト
1.ほとんど1日中、冷房の効いた部屋にいる。
2.夏でもあまり汗をかかない。
3.普段から運動不足を感じている。
4.水やお茶より、ジュースなどの清涼飲料水を飲むことが多い。
5.朝食を抜くなど、欠食することが多い。
6.甘いものをおやつに食べるのが毎日の楽しみ。
7.外食が多く、栄養バランスには自信がない。
8.レトルト食品や市販の弁当といった加工食品中心の食生活。
9.最近はそうめん、冷麦など、あっさりした食事が多い。
10.疲れがたまりやすい。だるい。
11.夜はアルコールを飲みにいくことが多い。
12.暑くて寝苦しい。よく眠れない。
チェックの数が
●4〜6個の人は「要注意」  ●7個以上の人は「危険」

やっかいなのは エアコンが原因の現代版夏バテ   
 あなたの夏バテ危険度はいかがでしたか?
 チェック数の多さに夏バテを実感した人、少なくて元気を取り戻した人、さまざまでしょうが、ここでちょっと、該当した項目内容にも着目してみましょう。
 全体にチェック数が少なく、「最近はそうめん、冷麦など、あっさりした食事が多い」「暑くて寝苦しい。よく眠れない」に該当したという人。そんなあなたは解決策のとりやすい、昔ながらの夏バテ派。一方、”要注意”レベルではあるけれど、「ほとんど1日中、冷房の効いた部屋にいる」「夏でもあまり汗をかかない」に該当した人。そんなあなたは現代人ならではの夏バテ派といえるでしょう。

 昔ながらの夏バテの原因は、ひとえに暑さ。体が暑さに慣れないために水分摂取過多、食欲減退、睡眠不足に陥るというもの。これらに慣れれば、夏バテは終わりを告げます。対して現代版は、冷房による冷えやストレスがおもな原因。これが自律神経にも関わりのある、ちょっとやっかいな夏バテなのです。
なぜ「夏バテ」になるの?
夏バテの仕組みを知ろう

室内外の温度差で自律神経が乱れる
 ところで、あなたがいつも「夏バテになった」と感じるのはいつ頃でしょうか。夏を迎えた頃か、夏の真っ盛りか、それとも夏の終わりでしょうか?
 本来、人が夏バテを感じるのは暑さに慣れていない夏のはじめのこと。暑くなると、私たちの体は36〜37度の体温を保とうと、汗を出して体熱を放散します。発汗量が増加して体温が上がりにくくなり、暑さに対する不快感が減っていくことを「短期暑熱順化」といいますが、夏の初めは暑さに慣れていないため、汗をかくまでに時間がかかり、汗も少量。この「短期暑熱順化」できていない状態が続くと夏バテを感じやすくなります。

 エアコンが現代のの夏バテの原因といわれるのは、この暑さに慣れていない夏の初めの状態を継続させているため。屋外が暑くても、冷房のきいた室内に入れば汗はサッと引くため、発汗量は増えることなく体はいつまでたっても熱さに慣れようとしません。その上、過剰な冷房で室内外の温度差は激しく、外では汗を出して体温を下げようとする一方、室内は寒いので熱を逃さないよう体は機能。結果、体温調節を行なう自律神経が乱れてしまいます発汗作用がうまく働かなければ、熱は体にこもったままとなり、むくみやだるさを引き起こすというわけです。
 

自律神経と夏バテ
自律神経は自分の意志とは関係なく、内臓、血管、汗腺など器官の働きをコントロールしている神経系で、交感神経と副交感神経の2種類がある。この2つの神経には1つの器官に対して互いに相反する働きがあり、自律神経によって暑い時には汗をかいて体温を下げ、また、逆に体温が下がり過ぎないよう人の体は調節される。しかし、気温差が激しい中を行き来すると両者のバランスが崩れ、手足の冷えやだるさ、食欲不振などさまざまな症状につながる。
食欲不振でビタミン、ミネラル不足に
 暑さのせいで食欲が減退していれば、栄養不足にも陥り、夏バテはいっそう加速。さらに、冷たい飲み物などを飲みすぎると胃や消化酵素の働きを弱め、体に必要な栄養素が吸収されにくい状態になり、食べた物がきちんと消化されず食欲不振につながっていきます。
 食事の量が減るとビタミンやミネラルも十分に摂ることができず、しかも、発刊によってナトリウムだけでなくカリウムなどのミネラルも失われていきます。
糖質の代謝に必要なビタミンB1は、そうめんなど糖質に偏った食生活では不足しがちに。ビタミンB1不足で糖質が分解されにくい状態になれば、疲労物質がたまり、いっそう疲れやすくなってしまいます。
 こうした夏の食生活と冷房によるストレス、そして普段からの体力不足と蓄積疲労もあいまって、現代の夏バテは構成されているのです。
夏バテの仕組み
夏バテの原因は、食生活と冷房中心の暮らしの2つに大きく分けられる。そうめんや冷たい飲み物など、昔ながらの夏の食生活を送りながら、冷房の部屋で長く過ごしていれば夏バテ症状は悪くなる一方。冷房によって室内外の気温差が激しくなれば、自律神経の乱れにもつながる。

 バテ解消のヒント


エアコンとうまく付き合う生活対策を

体を冷やさないことが何よりの夏バテ解消策
 ここで最初にご紹介した「夏バテ危険度チェックリスト」を振り返ってみましょう。各項目を見ると、1、3といった暮らしにまつわる内容と、4〜9などの食生活に関わる内容に分かれます。
 チェック数が多ければ多いほど夏バテ度が高くなるなら、内容とは反対の行動が夏バテ解消につながるはず。まずは、暮らしに関する項目から解消法を挙げてみましょう。


●冷房対策を心がける
 室内外の温度差はなるべく5゜C程度にとどめ、会社や電車の中など、冷房が避けられない所ではストールや膝掛けなどを用意し体をガードします。また、夏バテで栄養素が不足し、冷えで血行が滞れば、ますます体に栄養がいきわたらなくなります。手足の冷えが気になる日はフットマッサージ゜などで血行の改善を

●汗をかく
 冷えによって乱れた体温調節機能を取り戻すには適度に動き、汗をかくことも大切です。新陳代謝を促す入浴剤を風呂に入れ、半身浴でじっくりと汗を流すのもいいでしょう。

●日頃からよく動く
 体力がない人ほど、夏バテになりやすいもの。ウォーキングでもストレッチでも、気軽にできるスポーツを見つけ、運動を習慣化しましょう。姿勢をよくし、テキパキ動くよう心がけるだけでも、筋肉が鍛えられて基礎代謝がアップし、冷え予防につながります。

●睡眠中のエアコン対策
 熱帯夜のエアコンのフル回転は、体を冷やしすぎて夏バテを促進させるので禁物。
エアコンはタイマーを活用し、眠りについてから短時間で切れるようにするなど、
冷えすぎに注意するとよいでしょう。
不足しがちな栄養素を、夏らしいメニューで食べやすく

夏バテ予防食をプラスして栄養バランスを整える
 暮らしのヒントが「エアコンとの付き合い方」なら、食生活のヒントは「栄養バランスのよい食事」。特に、夏に不足しがちな栄養素を上手に補うことが、夏バテ解消を助けます。

●少量でも、おかずが充実した食事をとる
 例えばそうめんの場合、薬味を添えた単品だけでなく”夏バテ予防食”を副菜にプラスしましょう。”予防食”の一つは、炭水化物(糖質)の分解を高めるビタミンBが豊富なメニュー豚肉やウナギなどはビタミンBが多いので、夏の献立に加えたい食品といえます。しかも、ウナギは血行をよくするビタミンEはスズキやアボカドなどにも多く、冷房によるだるさが気になる人におすすめです。
 さらに、
魚や大豆からたんぱく質を補うことでミネラルの吸収にも役立ちます。ミネラルを含む緑黄色野菜や小魚などを副菜にしたり、朝食にヨーグルトや果物を取り入れるなど少ない量でも、おかずが充実した栄養バランスのよい食事を心がけましょう。

●辛味野菜で食欲増進を
 ミョウガやショウガ、シソは今が旬。いつものレシピに辛味野菜で香りをプラスし、酢やレモンで酸味をきかせると食が進みます。また、香辛料をきかせたビリ辛料理は発汗を促し、新陳代謝が盛んに。料理の風味づけにニンニクも加えれば、夏らしいエスニック風になるうえ、ビタミンBの吸収を高める効果もあります。

●夏の水分補給には麦茶がおすすめ
 人間は発汗により体熱を放散し、体温上昇を防ぎます。
炎天下を10分歩くと発汗量は100g。夏は積極的に水分を摂る必要がありますが、甘い清涼飲料水のとりすぎは糖質の過多となるほか、ビタミンを消耗するため疲労につながります。喉の渇きにはビタミンBが豊富な麦茶がおすすめです。
夏におすすめしたい食品の組合せ例
豆 腐

トマト
ビール

枝 豆
かつお

ニンニク醤油
アボガド

ダイコン
納 豆

オクラ
肉料理

パパイヤ、
パイナップル
免疫力を高めるたんぱく質は、坑酸化作用のあるビタミンCと一緒に。冷奴はこの組合せで。 夏のビールに欠かせない枝豆。たっぷり食べるほど糖の代謝を高めるビタミンBがたくさん摂れる。 ビタミンB1が含まれるかつおは今が旬の魚。B1の吸収を高めるニンニクと一緒食べたい。 血行をよくするビタミンE豊富なアボガド。消化を助けるジアスターゼを含む大根とマリネなどで。 納豆はストレスへの抵抗力をつけるパントテン酸を多く含む。オクラには消化を助けるムチンが。 肉料理で胃がもたれたら、デザートにはたんぱく質分解酵素を含むパハイヤ、パイナップルなどのフルーツを。

知っておきたい夏バテを防ぐ栄養素
 さらに、「スタミナアップ」「疲労回復」「自律神経の調節」など、夏バテ症状の改善に役立つ栄養素を積極的に取り入れましょう。

スタミナアップ(エネルギー産生)に
●ビタミンB群
 夏はエネルギーを消耗しやすい季節。なのに、糖質や脂質をエネルギーに変えるビタミンB群が不足しがちです。ビタミンB群の不足は、脳や神経の働きにも影響するので、イライラや無気力などの症状につながります。水溶性で料理の時に切り口などから失われる量も多いので、しっかり補給しましょう。
 なかでもビタミンB
1は、体が糖質を燃焼させてエネルギーをつくる時に欠かせない栄養素。不足すれば当然、エネルギーがつくりにくくなり、疲れやすくなってしまいます。しかも、清涼飲料水や麺類中心の食事で糖質を摂りすぎれば、ビタミンBが代謝にどんどん使われてしまうことに。ビタミンBは麺類ならそうめんや冷麦より、そばに豊富。また、白米より玄米に多く含まれています。

ニンニク(アリシン)
 
ニンニクのにおいの成分がアリシン。アリシンは、ビタミンB1と結合することでアリチアミンという成分に。これがビタミンBの吸収力を高め、持続的なスタミナ維持に役立ちます。アリシンは、ニラ、ネギにも多く含まれています。

疲労回復に
●クエン酸
 
食が進まない時でも、酸味のきいたさっぱりした味付けのものは食べやすいもの。梅干、レモン、黒麹もろみ酢などに含まれるクエン酸は、エネルギーの代謝をスムーズにして、疲労物質を分解する働きがあります。

自律神経の調節に
●たんぱく質(必須アミノ酸)
 
良質のたんぱく質に含まれる必須アミノ酸には、自律神経を調節する働きがあります。免疫力も高めるので、冷房による温度差などの肉体的なストレス対策にも役立ちます。肉類や卵、魚介類、大豆製品などからバランスよく補いましょう。

ニンニクとビタミンB
一緒に摂ればさらに元気に!!



夏バテにも効果!
注目の物質コエンザイムQ
10
ビタミンB同様、体内のエネルギー産生に不可欠なのがコエンザイムQ10。もともと体内にあり、エネルギーをつくるだけでなく、坑酸化作用があることから若さを保つ物質と、最近注目されています。まさに、エネルギー不足の夏バテ時には積極的に摂取したい物資です。コエンザイムQ10はイワシやサバ、豚肉、牛肉、大豆、ほうれん草などの食品にも含まれています。.