★肌の若さと美しさの源コラーゲン

コラーゲンは、あらゆる動物の体内に存在するたんぱく質の一種です。
中でも皮膚に多く存在して、ハリのある素肌をつくる立役者。
いつまでも美しい肌を保つ秘密は、コラーゲンの摂り方にあります。

コラーゲンは体を形成する接着剤となる
 人間の体は全体重の約20%がたんぱく質でできていますが、その約3分の1をコラーゲンが占めています。体の中で一番コラーゲンを多く含んでいるのは皮膚で、骨、軟骨、腱、血管壁をはじめ、あらゆる臓器にコラーゲンがあります。
 コラーゲンの主な役割は、体や臓器の形を支える構造材としての働きです。体内の多くのたんぱく質は細胞や血液中に溶けて存在していますが、コラーゲンは水に溶けない性質を持っています。そして、繊維状や膜状になって
、細胞同士をつなぎ合わせ補強する接着剤のように働き、体の各器官を形づくっています。また、細胞を支える足場としても働き、体の中で多くの細胞をしっかりとつなぎとめてその活動を支えています。
 現在、コラーゲンは約27種類見つかっていますが、人間の体にもっとも多いのはT型コラーゲンで、皮膚や骨、腱などの主成分になっています。このほか、主に軟骨に含まれているU型コラーゲン、血管を構成しているV型コラーゲンなどがあり(表1)、用途によって大きさや形が異なります。

          表1 体の各部で働くコラーゲン 
皮膚 全コラーゲンの40%は皮膚に存在しています。T型のコラーゲンが中心で、織物のような構造を持ち、皮膚に弾力性と柔軟性をもたらします。
T型ノコラーゲンが中心で、骨の枠組みをつくります。コラーゲンの骨格にリン酸カルシウム(ハイドロキシアハタタイト)が接着して、骨になります。
軟骨 U型のコラーゲンが中心。細い線維をつくって、関節にかかる力を吸収するクッション作用の高いコラーゲンです。
T型のコラーゲンが中心。ロープのような構造と性質を持っています。引っ張る力に対する強さは、銅線と同様とされています。
血管壁 T型と細い線維状のV型コラーゲン、網目状のW型コラーゲンが中心です。

コラーゲンは体内で分解され再合成される
 コラーゲンの体内での消化・吸収、再合成については、近年新しい発見がありました。コラーゲンはたんぱく質の一種ですから、従来は小腸でアミノ酸に分解・吸収されて、必要に応じて体の各部でコラーゲンに合成されると考えられていました。
 ところが、近年の研究で、食品としてコラーゲンを摂取すると、大半はアミノ酸がいくつかつながったペプチドという形でも吸収されることがわかってきました。アミノ酸が2個か3個つながったペプチドの方が、アミノ酸単体よりも小腸での吸収が早いことが確認されています。これはペプチドを細胞内に運ぶ役割をしている輸送体というものの働きによるものです。ペプチドはその後、アミノ酸単体に分解され、コラーゲン合成に使われることがわかっています。

コラーゲン摂取は合成促進のサイン?
 コラーゲンを食品として摂ることによって、体の中で新しく作られるコラーゲンの材料を増やすことができると考えられています。さらに、合成を促すシグナルとしての役割も担っているかもしれません。
 つまり、コラーゲンがペプチドの状態で体内に入ってくると、コラーゲンを合成する皮膚にある線維芽細胞や骨をつくる骨芽細胞などでは、「コラーゲンが分解されたので、新しいコラーゲンを合成せよ」というシグナルとして受け取って、合成能力を高めている可能性も考えられます。

関節リウマチの症状をやわらげるU型コラーゲン
 関節リウマチは、自己免疫疾患のひとつ。軟骨成分のU型コラーゲンを攻撃する抗体が体内にでき、過剰に反応することで関節に痛みが起きます。最近の研究で、U型コラーゲンを摂取すると関節炎症がおさまって症状がやわらぐことがわかり、注目が集まっています。

 肌の年齢を左右するのはコラーゲンの質と量

肌のハリや柔軟性はコラーゲンに影響される
 肌のみずみずしさやしっとり感は、角層の水分量や皮質の量によって左右されます。水分量や皮脂量がほどよく保たれていればしっとりした肌になりますが、不足するとカサカサしてしまいます。キメの整った肌は。皮丘と皮溝が規則正しく並んでいますが、水分量や皮脂量のバランスがくずれると、不規則な溝が増えて小ジワの原因ともなります。コラーゲンは、こういった皮膚の細胞の活動に大きな影響をあたえています。さらに、皮膚のコラーゲンは表皮の下の真皮に多く存在して、皮膚細胞の新陳代謝を支えているのです。
 また、真皮の中のコラーゲンが減ったり古くなったりすると、大きなシワができたり、肌がたるんできます。肌のハリや柔軟性は、コラーゲンの状態に大きく影響されているのです。


表皮の水分や皮脂のバランスがくずれ、肌のバリア機能が低下。コラーゲンが質・量ともに低下し、うるおいを保つムコ多糖も減るため、真皮の弾力は失われ、肌にハリがなくなる。 表皮の水分や皮脂が適度に保たれて、肌の水分蒸発を防いでおり、基底層からは新しい細胞が次々と生まれる。真皮のコラーゲンは質・量とも充実して、はだにハリを与えている。

加齢とともに低下するコラーゲンの質と量
 加齢によってさまざまな細胞の新陳代謝がゆるやかになりますが、コラーゲンも例外ではありません。コラーゲンを合成する能力は、20歳代と比較すると60歳代では4分の1に低下してしまいます。入れ替わるスピードが遅くなったコラーゲンは長期間体内にとどまりますが、その間に活性酸素などの攻撃を受けて、変性してしまいます。変性したコラーゲンはちょうどサビついたスプリングのようになり、弾力性を失ってしまうのです。固くなったコラーゲンは分解されにくくなり、代謝のスピードが落ちて、さらに新しいコラーゲンが作られにくくなるという悪循環に陥ります。
 コラーゲンは真皮の7〜8割を占めているので、コラーゲンが減少すると真皮の細胞数も減ります。また、コラーゲンによって支えられていたムコ多糖という成分も、コラーゲンの減少とともに少なくなってしまいます。ムコ多糖には抜群の保水性があり、肌のハリや柔軟性を保っていますが、それが減ることによって真皮はスカスカの状態となり、大きなシワやたるみができてしまいます

毎日のコラーゲン補給で肌の若返りが期待できる
 実際にコラーゲンを含んだ飲料を健康な女性に摂ってもらったところ、摂った期間に比例して皮膚の弾力性が向上したという実験結果が出ています。若い人ではさほど変化はなかったのですが、
40歳代以上の人には大きな効果が見られました。
 ほかの実験で、皮膚の保湿力も 加齢とともに低下するのですが、こちらにも向上が見られたという報告があります。また、爪が丈夫になったり、髪の毛が太くなるなどの改善も報告されています。爪や髪の毛の主成分であるたんぱく質は、コラーゲンではなくケラチンという成分なのですが、コラーゲンの摂取がサインとなって、細胞の活動を活発にすることで良くなったと考えられます。
 コラーゲンの補給は皮膚のコラーゲン合成を高めて、弾力性や保湿力を取り戻すのに役立ちます。
肌の若返り効果が期待できるコラーゲンを、積極的にとることを続けてみてはどうでしょうか。

 コラーゲンはどう摂ればいいか

フカヒレなどは長くつながったコラーゲン

 
人間の体内では、常にコラーゲンの分解と合成が繰り返されています。1日に壊されるコラーゲンの量は、1〜4g。このうちの一部は再びコラーゲンをつくる材料となりますが、食品として摂る場合は1日5g(HTCコラーゲンでは半分程度)を目安にするとよいでしょう。
 フカヒレなど食品に含まれるコラーゲンはアミノ酸が1000個以上つながった大きい分子構造です。コラーゲンを食べると、胃の消化酵素ペプシンによって長くつながった線維が分解され、ペプチドという小さい形になって体内に吸収されます。また、コラーゲンを加熱調理などによって熱を加えて、ある程度まで分解させたものをゼ゛ラチンといい、魚の煮こごりなどがこれにあたります。

素早くたくさん吸収されるHTCコラーゲン
 HTCコラーゲンとは、肌に多く含まれる3つのアミノ酸(グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン)がつながったトリペプチドを多く含んだコラーゲンです。この形のコラーゲンは
、長くアミノ酸がつながった普通のコラーゲンよりも、早く、たくさん吸収されます。さらに、皮膚に届きやすく、皮膚中のコラーゲン量を増やすなど、さまざまな優れた働きが報告されています。ただし、食品としてコラーゲンを摂取しても、消化酵素ではHTCコラーゲンと同じような形に分解するのは難しいことがわかっています。
 

肌のコラーゲン合成を高める働きも
 HTCコラーゲンを摂取すると、皮膚に多く届くことがわかっています。さらに、HTCコラーゲンは、普通のコラーゲン、アミノ酸混合物などと摂取後を比較しても、最も皮膚のコラーゲン合成を促進するという実験結果もでています。
 実際に人が摂取した実験では、普通のコラーゲンを摂取する場合よりも皮膚中のコラーゲン量が増えることもわかり、キメも整うという結果もでています。
 これは、普通のコラーゲンよりも長すぎず、アミノ酸よりも短すぎない3つのアミノ酸の配列を多く含むというHTCコラーゲンの特徴によるものだと考えられます。

HTCコラーゲンで肌の状態がしっとり滑らかに
 10日間HTCコラーゲンを摂った後の実感調査では、半数の人が「化粧のノリがよくなった」「肌がしっとりしてきた」と答えています。摂取前後の皮膚を比較してみても、キメが細かく肌の状態が改善されたことがわかります。
 コラーゲンの体内合成にはビタミンCと鉄が必要ですから、こういった栄養素もあわせて摂るとより効果が期待できます。
 これから先、コラーゲンの研究がさらに進めば、コラーゲンを摂ることによって肌が若返るメカニズムがもっと詳しく解明されてくるのではないでしょうか。
通常のコラーゲン(コラーゲンペプチド)(5.0g)とHTCコラーゲン(2.6g)の群にモニターを分け、それぞれ飲料として、1日50mlを10日間摂取してもらい、摂取後アンケートにより自覚的改善度を比較。結果は明らかにHTCコラーゲン(2.6g)で有効性が認められた。