成人病が気になるあなたへ
食べ物、食べ方でこんなに違う
B”ドカ食い”をやめるには、まずは朝食の腹八分目を心がける
 私は、昼休みのオフィス街でレストランに入り、ランチサービスを食べることがあります。店が混雑していることもあって、どうしても他人の”食べっぷり”が目にはいってきます。ご飯をよくかまないで、あっという間にドンブリ飯をたいらげたり、おかわりを一度ならず二度もする人がいます。
 こうした食べ方が体に良い訳がありません。”
ドカ食い”は胃に負担を与えるうえ、肥満の原因にもなりますから、避けなければなりなせん。こうした人は、規則正しい食生活ができていないことが多いのです。
 人間が食欲を覚えるのは、脳の満腹中枢とえうところが”飢餓状態”を感じるからです。この満腹中枢が正常に働いていれば、腹八分目の食事で満腹感を覚えるはずですが、食生活が正しくできていないと満腹中枢のコントロールが狂い、胃の中はすでに満腹なのに、まだ食べ足りないと感じるようになってしまいます。ドカ食いがどうしてもやめられない人は、まず食生活のリズムを正確にしてやることを考えるといいでしょう。
 食生活を規則正しくするのに大事なのは、何よりもまず、
朝食を毎日決まった時間に、腹八分目の量で摂ることです。これを続ければ、しだいに満腹中枢が正常に働くようになり、ドカ食いなどという悪い癖も消えてしまうものです。それでは、なぜ朝食は腹八分目でなくてはならないのか。
 一日の食事量を2000カロリーと考えてみましょう。たとえば、朝食抜きの人なら、昼1000カロリー、夜1000カロリーとなって、この人は1000カロリーが満腹感を得られる食事量となります。また、三食とる人が、朝と昼にそれぞれ500カロリー、夜に1000カロリーだとすれば、夕食だけが満腹で、昼食は腹五分ということになります。
 やはり
理想的なのは、たとえば朝食は600カロリー、昼と夜にそれぞれ700カロリーというような均等な摂取でしょう。
 この
600カロリーの朝食を毎日きちんと摂っていれば、脳の満腹中枢がほどよく働くようになり、昼食でのドカ食いも止められるようになるのです。
 朝食を腹八分目に食べるには、程よい空腹感も必要です。そのためには、
朝起きてから朝食までに、一時間くらいは余裕が必要です。やはり、同じ食べるなら、ゆとりをもっておいしく食べなければ、よいリズムはできないのです。


C朝食を立ち食いソバやハンバーガーですませている人へのアドバイス
 いろいろな事情があるのでしょうが、最近は独身者に限らず、妻帯者でも家で朝食を食べない人が多くなっているようです。駅のスタンドで立ち食いソバをかき込み、あわてて電車に飛び乗ったり、ハンバーガーショップで時計とにらめっこをしながらハンバーガーをパクつく光景を目にします。
 朝食は食べないより食べた方が良いのですが、
こうした食べ方は胃腸にとってあまりいいことはありません。食べた後、すぐ満員電車に揺られるような場合、緊張して胃に血液が流れていかない。そうなると、胃腸の消化能力はかなりおちてしまいます。皆さんも経験があると思いますが、ホテルなどの立食パーティーでは、たいして食べていないにもかかまらず、すぐに満腹になったように感じることがあります。それは立って食べるめ、胃が緊張しているからです。
 何度もいうようですが、どんなに忙しくて
時間がないときでも、食事をするときは余裕がほしいものです。立ち食いであれ、食べないよりは体に良いのだから、10分早く家を出て、立ち食いソバを食べたあとは電車1台くらいやり過ごして、ベンチに座るようにしましょう。ハンバーガーなどは、始業前にデスクで食べられるなら、会社に持っていって食べるようにしたいですね