成人病が気になるあなたへ
食べ物、食べ方でこんなに違う
Rインスタントラーメンの具は、入れ方がある
 
インスタントラーメンは、やれ糖質偏重だとか、脚気のもとだとか悪口をいわれているが、麺の原料になる小麦に含まれているタンパク質や、植物油を使っていることなどを考えると、必ずしも悪いとばかりはいえない。
 なんと言っても手軽であるし、これほど食べられているインスタント食品はほかにはないだろう。問題は、栄養のバランスに欠けていると言うことです。したがって、
食事の代用として食べるのであれば、多少の手間はかかっても野菜をたっぷり入れて、ビタミンやミネラル類を摂るようにすれば、バランスの良い食事となるのです。どんな具を入れてもラーメンの味には合うので、冷蔵庫の残り物を片端からぶち込んでも、結構おいしく食べられるものです。
 ただし野菜を入れたからといって、毎日食べていると痛風になりやすいので注意することです。これは、スープに痛風の原因になるプリン体という成分が大量に含まれているためです。したがって、インスタントラーメンを食べるのは週に2、3回にしておいた方が良い。
 また、植物油は太陽の光が当たると酸化するので、西日の当たるところに置いてあるようなインスタントラーメンはできれば避けた方が良いでしょう。

S脂っこい食事をした後に、胃をスッキリさせる方法
 中華料理は脂っこいのですが、それを食べている中国人に太った人はあまりいません。その秘訣の一つは、彼らが好んで飲むウーロン茶にあると言われています。
 
ウーロン茶は紅茶の一種で、特有の香気があり、ビタミンA、B1、B2、C、ミネラルなどが豊富に含まれています。また、ウーロン茶は脂肪の代謝を促進し、中性脂肪の増加を防ぐ働きももっています。そのため、脂っこい食事をした後でウーロン茶を飲むと、余分な脂肪をある程度落としてくれるため、胃がスッキリするのです。
 同じお茶でも、なぜウーロン茶が紅茶やお茶より、そういった効用があるのかは、はっきりとはわかっていませんが、製造法の違いによるようです。紅茶は100パーセント発酵させてつくるし、緑茶はまったく発酵させない。いっぽうウーロン茶は50パーセント発酵なので、そこに秘密があるのではないかといわれています。
 いま日本でもウーロン茶ブームですが、自動販売機などで売られているものは、ウーロン茶風のお茶といった方が性格でしょう。だから、そうしたものをいくら飲んでも、あまり効果は期待できません。

(21)食べ物の脂肪分を減らせば、お腹の脂肪はとれるのか
 肥満の
尺度は、ふつう、お腹の部分の皮下脂肪の厚さが目安になります。指でつまんでみて、その厚さが電話帳の厚さくらいになると要注意というわけですが、これは、まさに脂肪以外の何ものでもありません。
 そこで、お腹の脂肪を減らそうと食事の脂肪を制限する人が少なくありませんが、ことはそれほど単純ではありません。確かに、ボディビルをやっている人が、筋肉をつけるために肉をたくさん食べることはありますが、
脂肪は、デンプン質ばかり食べていても体内で合成されるのです。
 しかも、こうした誤解は脂肪分の制限によるタンパク質不足を招きかねないのです。体内の脂肪分とは、ひとことで言えばエネルギー源の蓄積であって、活動に要するエネルギーの残りを蓄えている。もしも、食べものにありつけなくなると、この蓄積からとりだしていく仕組みになっているのです。ちょうどラクダのコブの中が脂肪であるように、人間の皮下脂肪も、いざというときの蓄えなのです。
 
したがって、甘いものやご飯からも脂肪が作られる以上、やみくもに脂肪分を制限することは意味がないばかりか、栄養のバランスを崩す大きな原因となります。それがタンパク質の不足につながるのです。たとえば肉類やバターなどの乳製品に代表されるように、タンパク質と脂肪分は同居していることが多いからです。もしも、徹底して脂肪を制限しようとするなら、自然と食事は穀物と野菜に偏った”菜食主義”にならざをえません。
 一例をあげると、パンにジャム、紅茶にレモン、生野菜といったメニューです。これが一日の食事の一回分なら、それなりの内容です。けれども三度三度、こんなものばかり食べていたら体調を崩すのは確実です。
 肥満体の人に限らず、脂肪の摂りすぎは良くない。しかしまったく摂らないのは、それ以下であることを心得る必要があるでしょう。